February 17, 2008

親父の苦言と薪割り

前の晩に酒を飲みながら父親が苦言を呈す。

「畑やる、木こりやる、山をよくする、地域をよくする。
理想は持ってもらって大いにけっこう。
でもなあ、畑一反自分で耕せるようになって、
木を自分で一本切れるようになって、それからだぞ。
チェーンソー持って、山歩けるか?
木を自分ひとりで切れるのか?
チェーンソーの目、自分で立てれるか?
その切った木を、自分で出してこれるか?
木こりになれって言ってるんじゃないんだ、自分の頭だけ使って、
パソコンに向かって、それで私も仲間ですって、それはそうじゃないだろう?
体力つけろよ。どんなにたいへんなことか、身を以って知ってくれよ。
やりたいことはやればいいからさあ、やっていいよ。
でもな、自分で実際にやってな、それから物を言えよ」

思わず正座して聞く。
(これって息子…?)と内心思いつつも
ビシリと言われたこと、ありがたく思う。
墓場まで持って行きたく、親父の苦言ありがたし。

10年ぶりくらいに何かこのようなことを言われたように思うが、
そのあとサッパリと「はい、今日はこれくらい!」なんて言って
笑いながらまたじゃんじゃん気持ちよく酒を飲んでいた。

そんな昨日の今日で、朝こぞうくんから電話あり。
笹原のカラマツストーブの薪ステーションで薪割りをするというので
今日は一日手伝いに行って来ました。

昨晩久しぶりに酒を呑んだので頭が重くてちっとも目が覚めないが、
電話を受けてほいっと飛び起きてから30分後には木こり仕様の格好でくるみにいて
なんだか心と体がちぐはぐになった気分がした。
でもこぞうくんなので私はもうどんなによれよれでも彼の前では気にならないと思う…
という、とても貴重な男友達である。(ということにしておこう)

大量の唐松の原木を木こり衆が短く切ってくれたのを、ひたすらに薪にしていく。
楽しいのと、私は体力はないが意外に根性はあるので、根気よく
仕事を続けて、時間の過ぎるのがあっという間に感じられた。

やってることは原木の短く切ったのを機械の
所定の位置に置いて、単純なレバーの操作で薪を作っていく、
それだけのことだけれども、木の乾き具合やなり次第でうまくいかなかったり
バキッとすごい音がして木っ端が飛んだりもする。自然は一様でないということに
油断をすれば危険も含まれるし、細かい発見がいろいろとあって、
体感することに充実を覚える。
淳くんにお願いしてチェーンソーを使わせてもらって、玉切りにもチャレンジ。
ちょっとずつ、世界を広げるっていう感じ。みんなにこにこやさしく教えてくれて
ほんとうにありがたいなあ!

木こり衆の所作ややり取りも身を置いたことのない世界、
新鮮といえば新鮮。くるみで話してるだけじゃなくて、いっしょに作業してみることで
できる間合いみたいなことこそ、ここへ来て自分の体を使わなくちゃ得られなくて、
昨日の今日というのもあって、しみじみ来てよかったなと思う。

夕暮れどきにくるみへ戻って、薪をbちゃんとこぞうくんとくるみパパとで
積み上げているときに、スカートにブーツ、きれいにお化粧したお嬢さんたちが
横を通って店に入って行くのにすれ違い、なんだか自分との落差にえへへと笑えてくる。
オレ、長靴、ボードのパンツ、風も雪もへっちゃらなジャケットに毛糸の帽子、ゴム引きの軍手…!
薪を渡してくれるbちゃんに「なんだか…‘別種’って感じじゃない?」などと訴え、えへへと笑う。
…でも自分にとって意味のあることをたいせつにできている今は最高。

薪も積んだり運んだり、重いものをなかなか運びなれないので
終わってさすがに体はくたくたで、温泉にちょろっと浸かって体をほぐしてから帰宅。
帰って汚れた上着など洗濯をしながら(木屑をフリースから取るのが超たいへんだった)
今日もいい一日だったなあと思う。

投稿者 chaco : February 17, 2008 12:00 AM
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