January 24, 2006

氷上の悪魔、携帯をトイレに流す

アジスアベバ、象工場、21時56分。

普段は全く見ない民放からは、行方不明になって一年経過した女性の目撃談から構成した再現VTRが流れている。
いわゆる超能力による捜査として、焦点となっている竹林を捜索するが何も出てこない。
娘が発見されるのなら手段は問わないのだろう、女性の両親が登場する。

桜も咲こうかという時節に、知り合って間もない三十路過ぎのふたりが、ソファーに並んでテレビを眺めている。

「超能力系の番組が好きなんですよ」
そうなんですか。
「もう捕まっちゃったけど、福田和子っていたでしょ」
ええ。
「静岡にいたときなんですけど、ある日修善寺のスナックにいるって思って電話したんですよ」
え? 警察に?
「いや、友達に。でも、警察にはメールしたことありますよ、別の事件で」

(別の事件の詳細は失念)

まじすか。で、どうでした、修善寺は?
「いませんでしたね」
スナックは?
「行きましたよ。ただ飲んで帰ってきただけでした」
あー。
「友達が大変でした」
うーん。
「もう修善寺にはいないと思いましたね」
何で修善寺にいると思ったんですか?
「その話はまたにしましょう」

福田和子も死んじゃったし、彼ともあれ以来会ってないなあ(遠い目)。

投稿者 yoshimori : January 24, 2006 11:59 PM | トラックバック
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