August 17, 2006

『罪の無い嘘』 (第1回)

「しょうもない先輩がいるんですよ」
千葉だからね。

「何か言いました?」
いや、失言でした。

「その先輩がサーフィンを始めたとか言うんですね」
実は、陸(おか)サーファーだったと。

「たぶんそうですよ。見栄でボードぐらいは買ったかも知りませんけど。で、海に出たあと疲れてサーフボードの上で寝ちゃったとかほざくわけですよ」
あー、波に揺られていったと。

「『飯岡から上総一ノ宮あたりまで50キロ流されちゃったよ』って言うんですよ。おいおい、せめて5キロにしとけよって突っ込みそうになりましたけどね」
ていうか何で沖に向かわず海岸沿いに流されてるんだって話だな。

「そこがその先輩のいいところなんですよ」
そうなのか?

「まあそれで、後輩から『一緒にサーフィン行きましょう』って誘われて、最近始めたばっかりなのに、『5年ぐらいやってないからできるかなあ』とか返しちゃって、もう追い込んじゃ駄目だって言ってんのに、ねえ」

今だけを生きてるな、先輩。

(了)

投稿者 yoshimori : August 17, 2006 11:59 PM | トラックバック
コメント

う〜ん、
「今だけを生きる」
僕もそうです。

あ、お久しぶりの書き込みでした。

Posted by: murao : September 7, 2006 03:55 PM
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