February 23, 2007

『朝から鰻丼』

海外アニメに登場する、「主人公を執拗に追い続けるが、キャラクター設定上、絶対に優位に立てない、語尾が『~でげす』」にも似た男、喉が渇いたと缶コーヒーのプルタブを引き、間髪いれずに吸い掛けの煙草をねじ込む。

「昨日、お客さんと浴びるほど飲んでたんだけどさ、全っ然記憶に無いんだよね」
君の場合はリアルに浴びてるからな。

「うん、スーツがマッコルリくさいんだよ」
焼肉食べてたの?

モーパラ
そんなとこ行くなよ、しかも客と。

「いや、嘘。食べ放題じゃなかった気がする。何せ記憶ないから」
そもそも、ほんとに焼肉だったのかも怪しいな。

「それは間違いないって。ほら、このスーツ臭、かなり焼き物でしょ」
いや、嗅ぎはしませんけど。何だ、スーツ臭って。

「何だよ、冷てえな」
何処の世界に男のスーツの匂いを嗅いで嬉しい理由があるんだ!

「そんな、全力で拒否らんでも。でもさー、お客に何を言ったか覚えてないのはまずいよね」
まずいねえ、会社的にも。

「人間性も疑われるしな。あはははは」

笑ってるよ。
開き直ったか。

(了)

投稿者 yoshimori : February 23, 2007 11:59 PM
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