May 25, 2007

『京橋、3時45分。』

椅子に座ったまま何処かを見ているようで何も見ていない男、ゆっくりと前のめりになり遂にはデスクに伏せる。

「あー」
眠そうですね。

「そう、昨日さー、酒飲んで帰って、寝ようとしたんだけどさー」
またゲームしちゃいました?

「うん、2時間くらいやって、やっべーもうすぐ明るくなるって電気消して布団に入ったらさ、暗闇で物音がするわけ」
蛾とか?

「それがかなりの大きさのが壁とか天井にぶつかってる感じなの」
小動物?

「最初、鳩かと思った」
いやいやいや、それはない。窓は?

「開けてない。で、あれだったら怖いから、布団かぶって寝ようとしたんだけどさ」
あれ? あー、タイプGですか、家庭用の。

「そう、Gだったら最悪でしょ。眠れるわけがない。で、毛布かぶってたら脅えてたら暑くなってきてエアコンつけてみたわけ」
ほう。

「何か分からない物音よりも、エアコンの方がうるさくて、眠れねえって思いながら寝たよ。
たぶんあれは霊だったんだ」

タイプGからの逃避として心霊現象と結論付ける32歳。
日本は今日も平和です。

(了)

投稿者 yoshimori : May 25, 2007 11:59 PM
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