February 21, 2008

『下駄ヲ鳴ラシテ、愉快獣』

「牡丹燈籠」といえば、夏場に囁かれる怪談噺に相違ない。
高座に上がる噺家は季節を問わず、ストーリーテラーとなる。
今回は、柳家 喬太郎による「お札はがし」の一節。

ざっくりと解説すると、以下の通り。

<登場人物>
萩原 新三郎 ・・・ 上野在住の牢人(浪人)
飯島 露(Tsuyu) ・・・ 旗本の娘
米(Yone) ・・・ 露付きの女中
伴蔵(Tomozou) ・・・ 新三郎の隣人
峰(Mine) ・・・ 伴蔵の妻

相思相愛ながらも、家格の違いでロミジュリ状態の新三郎と露。
露の父により生木を裂くように仲を引き裂かれた露は、新三郎を想うあまりに焦がれ死にする。
女中、米は看病疲れからか、後を追うように亡くなる。

駒下駄を鳴らし、新三郎の住む家へ向かう二人の女。
露の死を信じていない新三郎は、やはり生きていたと喜び、露を家へと迎え入れる。

新三郎は叔父より、あれはこの世のものではないと忠告される。
叔父よりに行けと命ぜられ、墓前にある牡丹燈籠の灯りに浮かぶ露と米の名を見た新三郎は、ふたりの死を確信し、寺の住職より札と観音像を受け取り、帰路に着く。

札と像はがっつり有効で、新三郎にさっぱり近付けなくなる露と米。
米は隣人の友蔵と峰を恐喝、買収し、新三郎宅の札を剥がさせ、像を奪わせる。

伴蔵が峰に女中の正体を明かす一節。

「何さ、お前さん、あんな女連れ込んじゃってさ。あんなのがいいのかい?」
「ちげえよ、馬鹿。あれは飯島様んところの女中なんでい」

「何さ、あんた、女中がいいのかい!?」
「何言ってやがる! ・・・あれは・・・実はな、これなんだよ(といわゆる「幽霊の手付き」をする)

「ピグモンかい?」
「・・・おい、おめぇ、少し我慢したらどうでい。これ牡丹燈籠じゃあねぇかよぅ

結果、新三郎は露に連れて逝かれ、本懐を遂げるわけだが、もう印象というか記憶に残るのは身長1メートルのウルトラ怪獣のことばっかりだ。

(了)

投稿者 yoshimori : February 21, 2008 11:59 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?