May 17, 2008

『凛トシテ、時ニハ因業ニ』

18世紀後半、英国の陶器職人が生み出した『フラゴン』、その中央部にはかつて英国王室の紋章が彫り込まれていたが、現在のモデルには、14世紀バノックバーンの戦いにおいてイングランドを撃破したスコットランドの雄、ブルースが・・・。

「何の話?」
何のって、さっき話したじゃんか。

「んー、何か一生懸命喋ってるみたいだからさえぎるのもあれかなー悪いなーと思って口はさめなかった」
そうけぇ。

「ん? 岡山弁?」
そういうところは拾うのか。

「あ、あれだ、あれ、思い出した! ねー、あれだよねー、ねー」
・・・覚えている単語を言ってみよ~う、よーう、よーーう。

「えー? えーと、カネゴン?」
ブブー。惜しいな。

「えーとえーと、ラフカディオ・ハーン?」
ブブー。「ーン」しか合ってない。

「えーと、プルート?」
ブブー。「ルー」て。

「あ、これは覚えてる! アイルランド! ダブりーん!
・・・。

「それは惜しいの? 惜しくないの?」

ひとことも合ってないんだよ、この野郎、表出ろ!

(了)

投稿者 yoshimori : May 17, 2008 11:59 PM
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