August 09, 2008

『梅沢、棚沢、酒蔵澤乃井』

嘴の太い黒く邪悪な奴らがぎゃあぎゃあと啼き出す頃合いに目を覚まし、持参品の最終点検を。
若干の余裕を持って自宅を後にする。

前日より予約していたレンタカー営業所へ向かうも、そこは更地
かつて「わ」ナンバーのカーどもを囲っていたはずの駐車場はそこに無い。

・・・もうくじけそうです。
番号案内を呼び出し営業所の番号を尋ね、連絡してみると「二年前に移転」との回答。
現在の所在地は、「C.C.Lemonホールの地下にある」という。
何が?

「ええ、ですから、元渋谷公会堂ですね」

・・・ネーミングライツ(施設命名権)行使の良くない結果に違いない。

無事にあれしたトヨタ・カローラフィールダーに乗り、まずは自宅へと引き返し、クーラーボックス、ポリタンク、ディレクターズチェアー、シュラフ、マット、等の大物を積み込み、知人宅へと急ぐ。
現時点で集合時間十五分前という、計画性の無さがあっさりと露見しつつもおよそ七名と合流し、三十分遅れで出発。

奥多摩に到着。
で、幾つかのキャンプ地にて拒絶され、三軒目に受け入れられる。

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轟々と多摩川

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吊橋と多摩川

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岩と多摩川

設営に憔悴しきった我々は昼に素麺と蕎麦と定め、つるつるつるつると細く長い縁起物を手繰る。

何もしない時間が過ぎてゆく。

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西瓜と多摩川

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少し翳ってきた多摩川

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薪は燃えやすく強火だが、あっさりと燃え尽きる

夜はBBQ
前日より仕込まれた豚や鶏、イースト菌で膨らんだパン生地、買い出した肉野菜を鉄板と網にて原始的に焼き、見たこともない大陸産の酒で流し込む。

聞けば、愛宕山山頂より花火が打ち上がるという。
期せずして、『第31回奥多摩納涼花火大会』開催の日。
付近にある奥氷川神社より祭囃子が微かに聞こえ、祭テイストも加速度的に加味される。

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「玉やだと又 またぬかすわと 鍵や云ひ」

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玉屋、実は1843(天保十四)年に火の不始末にて処払いを命じられ、一代限りで断絶したという

気が付くと、ディレクターズチェア上で真っ白に燃え尽きている様子。
腕時計すら腕に無く、時刻も分からない。
夜半は寒かろうと一枚重ね着て、寝袋に潜り込むのだった。

(了)

投稿者 yoshimori : August 9, 2008 11:59 PM
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