August 17, 2008

◆『広小路、三宅坂、広小路』 (最終回)

(自分的に)楽日で御座います。

『上野鈴本演芸場 當ル八月中席
第十九回 納涼名人会~鈴本夏まつり~
夜の部 吉例夏夜噺 さん喬・権太楼 特選集』

開口一番■柳家 喬之助 「初天神」
蜜を舐めきった団子だけの串を壺に父親がちゃぽんと付けて終了。

太神楽曲芸■鏡味 仙三郎社中
弟子が回す上の鉄輪は先端に入らず、仙三郎師匠、土瓶当たり棒より落下させるんですな。
客は其の親心から楽屋における師匠からの小言を心配するんですねぇ。

落語■柳亭 市馬 「普段の袴」
市馬師匠、指を引っ掛けてくるっと回す羽織紐の解き方が粋ですな

上野広小路、御成街道沿いにある骨董屋を羽織袴姿の侍が訪れますってぇと、墓参の帰りに供とはぐれたなんてぇ申しまして店先に腰掛けてましてねぇ、床の間にある鶴の絵を文晁(ぶんちょう)であろうと褒めつつ、煙管で一服するってぇと、火玉は袴の上へ落ちるんですな。

「お武家様、お袴が焦げております」
「これはいささか、普段の袴だ。気にせんでもよい」

これを粋と見た八五郎、長屋の大家に袴を借りるってぇと、印半纏に袴なんてぇ不審にも程があるってぇくらいの格好にて件の骨董屋へ向かい、侍気取り煙管を持つってぇと、煙草入れを開けても葉も無いってんで、袖にあった布屑を吸い吸い、どうにか火玉に落としたいんですがねぇ、勢い余って頭上に飛ぶんですな。

「こ、これはいささか、普段の・・・頭だ」

漫才■ロケット団(倉本 剛・三浦 昌朗)
山形弁での曲解は素晴らしいですな。

落語■柳亭 左龍 「お菊の皿」
「何で十八枚も数えやがるッてんだ」
「明日休むんだよ」

落語■春風亭 一朝 「宗論」
「あたしンところは代々隠れ切り支丹です」

奇術■ダーク宏和
ちょいとはばかりに。
廊下まで「お岩」なんてぇ聞こえましたがねぇ、内容は分かりませんな。

落語■柳家 喬太郎 「(演目不明)」
客の反応を窺い窺う喬太郎師匠、「作戦変更だ」と半ばキレ気味に羽織を投げ捨てましてねぇ、予定してたってぇ「粗忽長屋」を止めるってぇと、
「昨日も来てた客は同じで悪いけど、自分らの責任だからな。・・・言い過ぎました、すみません」
なんてぇと、座布団ごと後ろに転がるんですな

落語大学に入学した男が先輩を訪ね、学園内を案内されるんですがねぇ、基本的な落語の演目、噺家の名前を知らないとさっぱり分からないってぇ、素人置き去りの綱渡り芸で、あたしにはたいへん面白いんですがねぇ、諸刃の剣なんでしょうかねぇ。

お仲入りで御座います。

漫才■昭和のいる・こいる
「お前向こう(客席)行けよ」
「嫌だよ、金払わなきゃならねぇじゃねぇか」

夏夜噺①■柳家 権太楼 「疝気の虫」
悋気は女の慎むところ、疝気は男の苦しむところなんてぇ申しまして、ここで云いますってぇところの疝気なんてぇのは、殿方における下の病全般を指すんですな。

天井から降りてきたってぇを火箸でつまんでみるってぇと、これが「苦しいんですけど!」と涙ながらに医師に訴えるんですな。
火箸を持つ医師は拷問にて疝気の虫から特性を聞き出すってぇと、急患の治療に好物の蕎麦と天敵の唐辛子水を用い、旦那の中の疝気の虫を女房の中へ誘い込みましてねぇ、疝気の虫が「別荘」と呼ぶ避難所女房には無い器官へ逃げ込もうと下へ下へと向かうんですがねぇ、ついぞたどり着かないんですな。

紙切り■林家 正楽
定番通りに「相合傘」から始まり、「東京タワー」、「大文字焼き」、「夕涼み」なんてぇ切り抜きましてねぇ、これで終わりかと思いきや、最後に「秋刀魚」で〆るんですな。
「秋刀魚」は寄席らしく、「目黒の秋刀魚」における野駆け中に秋刀魚を召し上がる大名でしたな。

夏夜噺②■柳家さん喬 「柳田格之進」
みつからの薦めで碁会所に向かった格之進萬屋 源兵衛と出会うってぇと時期を待たず、互いに生涯の碁敵と認め、萬屋の離れで一番二番と囲むついでに相伴に預かるってぇ運びになりますな。
十五夜の月見の折、萬屋にて五十両が紛失するってぇと、もしやの可能性と源兵衛への忠義から、番頭・徳兵衛は格之進を訪ね、奉行所への届けを示唆しますってぇと、格之進は用立てすると答えますな。

「盗っておらんものは必ず後で出てくる。それが出てきた時、そなたはどうする」
「こんな首ですがねぇ、柳田様に呉れてやりやしょう。ひとつじゃ寂しいでしょうから、主、源兵衛の首と一緒に」

みつは自ら吉原に沈むってぇと、拵えられた五十両は徳兵衛の手に渡り、格之進は退転しまして、時節が流れますってぇと、歳暮れの煤払いの際、額の裏より五十両は発見されましてねぇ、方々探した挙句、格之進と対面を果たし、徳兵衛は委細を告げますな。

「・・・約束通り、首を洗って待っていろ」

萬屋にて互いを庇い合う、源兵衛・徳兵衛の主従を斬れず格之進、碁盤を一刀両断にして全てを許すってぇと、身請けしたものの吉原の暮らしで放心となった娘みつと徳兵衛を娶わせ、生まれた嫡男に柳田の家督を継がせるってぇはなしなんですな。

この噺の不条理な部分ってぇのは、娘みつだけがフィジカルにもメンタルにもダメージを負ってるってぇのに、他三名(格之進、源兵衛、徳兵衛)がへらへらほんと日々を過ごしてるってぇところなんですな。

そうは申しましても泣き所はってぇと、つまらぬ忠義より格之進に五十両を求める徳兵衛の行為を一喝する源兵衛が泣き崩れるくだりと、徳兵衛を庇う為に白紙の文を急ぎ届けさせようとする源兵衛でしょうかねぇ。

肉を焼かない焼肉店に向かおうってんで、リトルコリアに向かいましょうかねぇ。

(了)

投稿者 yoshimori : August 17, 2008 11:59 PM
コメント

のいる・こいる師匠、私大好きですよ。「はいはいはいはい」って、すっげえ適当な感じが爆笑です。一度生で拝見したいものです。

Posted by: 六ヶ所村ズドラマー : August 19, 2008 11:02 AM

のいる・こいる師匠、図ったように毎回同じ根多なんですよ。
伝統芸能を眺める気持ちで眺めています。
その辺の寄席にゆけば、大概出てるんで見逃すことはないでしょう。

Posted by: 義盛 : August 26, 2008 10:34 PM
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