November 15, 2008

◆『照焼、敦盛、炭焼』

小雨がそぼ降る中、総武線に揺られて飯田橋で降りますってぇと、かつて外堀を渡していた橋の名ルーツ旧麹町名主、飯田喜兵衛御大を朧に見ながら、薩埵 正邦氏ルーツな名が付く近代的な建造物を目指しますな。

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『第6回 法政大学「地域の方々との」伝統芸能を鑑賞する集い
江戸の華-話芸と音曲-』

開演時刻、司会の方の少しこなれてない喋りから始まり、法政大学常務理事、九段商店街振興組合組合長の眠りを誘うなんてぇご挨拶を頂きまして、一席目と相成ります。

講談■日向ひまわり 「赤穂義士銘々伝 堀部安兵衛 道場破り」
よく見えなかったンですがねぇ、白く染め抜かれた黒紋付の紋はてぇと、名通り「向日葵」をあしらってあるそうですな。
袴姿に白張扇、講談師を初めて伺いました。

俗曲■柳家 小菊
「梅は咲いたか」
「蛙ひょこひょこ」
「長崎ぶらぶら節」
都々逸「(逢えば短い逢わねば長い~)」
都々逸「(飲んで~)」
都々逸「(お酒一樽~)、新内」
都々逸「(~酒)」

「(奥山の~狐、雉、猫)」
↑ 二番、三番と続くと下方面にゆくなんてんで、「こういうアカデミックな場所ではやらない」なんてぇ云いますな。

「淡海節」
「さのさ」
「櫓太鼓」
「相撲甚句」

落語■三遊亭 歌る多 「替わり目」
「大学のキャンパスに来るのは久し振りです。あたし、国学院を半年で卒業しましてこの業界に入ったンで御座ィますのよ。今年で芸歴二十七年、二歳から始めてるンで二十九歳になります。えー、あたしが師匠に弟子入りした時にですねぇ、『酒が呑める身体を拵えろ』なんてぇ云われさんざ飲まされて鍛えられましたが、未だ二升しか呑めないンで御座ィますのよ」

「元帳を見られた」

お仲入りで御座います。

義太夫■竹本駒之助(語り)・鶴澤津賀寿(三味線) 「新版歌祭文 野崎村の段」
「お染久松」なんてぇ名を聞くと、何となく過去の芸能か何かと連想はするンですがねぇ、此の度漸く義太夫と特定できまして、安堵しております。

題名と同名の音曲であります「野崎」を、途中からローディを伴いまして改めて座します、もうひとりの三味線の師匠が加わりまして、ふたり三味線が早弾き掛け合いってんで、其の見た事もねぇ和のセッションに睡魔も過ぎ去るってぇと、「野崎」ふたり三味線なる鳴り物を最高潮としまして、話の中のお染と久松は別々の道をゆくンであります。

夕刻に頂いたなんてぇモノが未だ五臓に居座っておりましてねぇ、少しこなれてこねぇと般若湯も入ってゆかねぇってんで、掘割辺りをぶらぶらと歩くンですなァ。

(了)

投稿者 yoshimori : November 15, 2008 11:59 PM
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