August 16, 2009

『さいとうさこんたゆうとしまさ』

わるいゆめからめをさますと、といたをほとほととたたくおとにきづきます。
といたをたたくのは「あぶらうり」です。

だまっていると、といたをはずして、あぶらうりがあがりこんできます。
あぶらうりはあぶらだらけのてをさしのべていいました。

「きょうはあぶらをつかうひだろう」

むごんでうなずくと、いっとかんのあぶらをおいて、さってゆきました。
とおくなるせなかはどすぐろい「はいゆ」にまみれています。

いれかわりで、「すみうり」がやってきました。
すみうりはまっくろなてをさしのべていいました。

「きょうはすみをつかうひだろう」

くびをたてにふると、すみうりはたわらいっぱいの「もくたん」をおいてさってゆきました。
すすけたせなかに「あいしゅう」がただよいます。

むらびとたちがしょくざいをもってあつまりました。
うみのむらからは、「たちうお」、「かます」、「あじ」、「えぼだい」のひものがとどきます。

「あたみ」のむらびとと「えのしま」のむらびとがいいあらそいをしています。
ぼくがあいだにはいり、「かます」のできぐあいでゆうれつをきめることになりました。

「かます」がすみびでやかれてゆきます。
ぼくのひとことで、しょうはいがきまります。
きんちょうのいっしゅんです。

「・・・あたみ」

おしくもやぶれさった「えのしま」のむらびとは、おきてにしたがい、いさぎよくそのばではてました。

きをとりなおして、ゆでた「とうもろこし」、ゆでた「えだまめ」をいただきます。
あさとれたやさいを、そのひのうちにたべるぜいたくです。

「まだい」、「ほたて」と「あさり」のこぶやきがはこばれてきます。
「しゃんぱん」と「しろみざかな」はよくあいます。

すこしあたまがいたくなったので、よこになります。
そのあいだにも「にわとり」、「ぶた」、「うし」のしにくがやかれてゆきます。

やがてむらびとたちが「かみ」にめされるじこくとなりました。
しょくもつれんさのちょうてんいくんりんするぼくが、むらびとたちを「かみ」の「くもつ」にするのです。
むらびとたちは「こうこつ」としたかおで、「かみ」のもとへいそぎます。

さようなら、むらびと。
おいしいくもつをごちそうさまでした。
きみたちのむすこむすめたちに、つぎなるくもつをはこばせることをやくそくするよ。
きっとだよ。

(おわり)

(斎藤左近大夫利政=道三)

投稿者 yoshimori : August 16, 2009 11:59 PM
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