February 08, 2010

『二月上席~讃州』

序、

おやオヤ姐さん、何処かに春恋な声でも見つけたかィ、しんせんなァ肴でも誂えて、卯田原でひと泳ぎ、ひでぇ噺じゃァねぇがァ、これでも突っ転ばし之二枚目よゥ、ひらッてぇェしてにつき、掻きゃァかきゃァで振られ損、楽くずれの半端もん、でぇこうぶつさァこの薬味、とおっくからわざわざおいでなすって有難う御座ンすねぇ。

「お前さんの云うことが、百にひとつも分からないよ」

二、

張るしかねぇのは博徒の性よ、千代子刺すのも刺されるも、実から出た寂びお銚子もん、いい交した仲さえも、こおり懲おりの遣る瀬無さ、ありんす言の葉身に沁みて、佳代い爪たるなんなんそう、そうでもなけりゃァどうでも出戻りでぇー。

「あーいー」

(幕)

投稿者 yoshimori : February 8, 2010 11:59 PM
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