December 31, 2010

『十二月余一会~張りと胃と』

越年に託(かこつ)けて何となく飲んだくれようと打ち合わせる午後三時
当日になって今更何をしているのかと無計画にも程があると凍え死ねと雪が溶ける春まで見つけてやらん等等極寒地における農作計画担当から烈火の如く叱責されても致し方ない呑気さ加減である。
幸い会場も決まり、参加者も辛うじて複数名と呼べる員数に達する。

襲うように会場に訪れると食材だけをキッチンに投げ出し、瞬きすら回数を減らして鼓動すらも控えめに、春まで蠢くのさえ止めるかのようにじっとしている
やがて個別だった食材は一纏めにされて食卓に並び始める。

・新年を迎えるに当たり、せめてそれらしい一品をと選んだのは散らした数の子も眩しい鰯の酢漬けである。
・一度は諦めかけたローストビーフを解凍し過熱し皿に盛る勇気を買いたい。(それを食べるのは誰なんだ)
酒盗を載せたクリームチーズを口にしいしい、酒を盗まずにはいられない。
・どうしても灰汁(あく)が出てしまう鶏水炊きは素材に問題があるのだろうか。

桑田佳祐NHK紅白にて復活を遂げているのも知らないまま、しれっと暮れゆく年の瀬なのである。

皆の衆、良い年を迎えよと願って止まないのだよ、わたし的には。

(完)

投稿者 yoshimori : December 31, 2010 11:59 PM
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