February 27, 2011

◆『煽り温泉蕎麦SKI』

本日ァ吉祥寺にある劇場での落語会でござんす。
昼間ッから駅前にあるなんてぇ蕎麦屋に入りましたが、蕎麦すら手繰らず「蕎麦抜き天麩羅蕎麦」、所謂(いわゆる)「天抜き」を「あて」に冷酒で杯を重ねまさァ。

◇越乃景虎(新潟・長岡栃尾)
◇一ノ蔵(宮城・松山)

油断してるてぇと遅れるてんで、千鳥足で会場に向かいますな。

『前進座劇場プロデュース「三人寄席」』
@吉祥寺南町三丁目・前進座劇場

手渡された小冊子にゃァ「古今亭半輔(落語)」と記されてたんですがねぇ、何故か此の方ァ高座には上がりませんでした。
名からして古今亭志ん輔師匠一門の前座の方なんでしょうがねぇ、何があったでしょうか、なんてぇ詰まらぬ心配をしております。

柳亭市楽◆松山鏡

マクラ小咄:
「鏡店(かかみゝせ)」を「嬶(かか)見せ屋」と読んだ田舎の方々、「えかくきでぇなよめっこ」を見せるもんと思い込みまして、翌年も同じ場所へ向かいますが、「琴三味線指南所(ことしゃみせん・しなんじょ)」に変わっておりまして、「今年ゃ見せん」と解釈しまして、来年まで嫁の命が持つか分からないと嘆く男を慰める言葉が「死なんじょ」。

本編:
「越後新田松山村、今の新潟県は松之山町(現・十日町市)、温泉がありますね」

古今亭志ん輔◆夢金

「斎藤佑樹と村上佳菜子が好きになれないんですよ」
「石川遼はいいんです、成績残してるから」
「斎藤佑樹、沖縄到着とかもうどうでもいいんですよ」
「村上佳菜子の笑顔がどうにも作られてる気がして」

「昼の吉祥寺ですよ」
「楽屋に行けば弁当が用意されているのが分かってるんですがねぇ」
「どうしても駅前でらーめんを食べてしまうんですね」
「そして、後悔するんです」
「弁当食べてる人見ながら、此方にしときゃァよかったなァって」
「同じ中央線の西荻窪ではよく飲んでますよ」
「西荻窪は夜が賑やかなんですが、昼は何ンンにも無いですね」

柳亭市馬◆笠碁

「昨日は二・二六事件の日でした」
「あの日は雪が降ってましたてんですから、今日の陽気が信じられませんね」
「亡くなりました(柳家)小さん師匠、当時麻布歩兵第三連隊機関銃隊所属でして」
「反乱軍側としての行軍ですよ」
「・・・まァ師匠は朝起こされて何だか分からない内に連れて行かれただけなんですがね」
「そういう経緯もありましてか、天皇陛下に対しては並並ならぬ感じなんだと思いますね」
「国宝になった際に、小さん師匠があの園遊会に呼ばれまして」
「取り決めがあったらしく、天皇陛下がお声を掛けなさるのは六名までだとお聞きしました」
「当時の橋本聖子さん、森進一さんが居りまして、次に小さん師匠が狸の置物みたいに立ってました」
「そしたら、侍従長の方が陛下に『落語の柳家小さんさんです』って紹介なさったんですね」
「陛下は『あ、そう』と仰りつつ、『最近、落語はどうですか』と訊かれるんですよ」
「小さん師匠、まさか声が掛かると思ってませんから、何にも考えて来てないんですよ」
「かなり緊張もしてたんでしょうね、小さん師匠の返した言葉が『はッ、近頃はッ、大分、良いようです!』」
「近頃良いようですって、病気見舞いじゃァないんだから」

お仲入りで御座ィます。

花島世津子◆奇術

「松旭斎すみえの弟子なんです」
「此の会に呼ばれた時に弟子の中から誰が行くか相談しまして」
「いちばん見栄えがいいのがいいだろうと云う事で、結果あたしが選ばれた訳ですが」
「いちばんで此れですから、後はたかが知れてますね」

世津子ねえさん、以前お見掛けした時よりも短髪になってらっしゃいました。
寄席と変わらずの内容でして、「破った日経新聞を元に戻すが、スポーツ紙になっている」奇術や「カードを用いた数字宛ての最後を外し、紙に開けた穴に自らの顔を入れて『クィーン』と言い切る」というサゲまでがいつもの世津子でござんした。

入船亭扇遊◆妾馬

「東京やなぎ句会という集まりが御座居まして」
「敬称略で申し上げますと、柳家小三治、永六輔、加藤武、小沢昭一、大西信行、矢野誠一」
「故人では江國滋、等錚錚(そうそう)たる顔触れでして」」
「一応、うちの師匠扇橋を宗匠に据えての会なんで御座居ますけれども」
「或る時、伊豆下田行きの列車に乗りまして温泉旅行も兼ねつつの句会がありまして」
「あたくしも師匠のお供で同行したんですが」
「伊豆急行は単線でして、上り下りが駅で擦れ違うんですね」
「あたくしらは下りで海側を、上りの方はてぇと山側を走っています」
「そしたら河津(駅名うろ覚え)で、向こうから来ますのが所謂、御召列車で御座居まして」
「其れまで海を眺めてらっしゃったんでしょうね、此方側を見てらっしゃいまして」
「其の内に誰かが気付いた様でして、『おい、あれ、そうじゃない?』的な」
「もうそれまで酒飲んでわいのわいの云ってた面面がですよ、直立不動で最敬礼なんですから」
「あちらの方でも此方側に知ってる顔でもあった様で、ゆっくりとこう手を振られてましたね」
「あたしは戦後の生まれなんですが、つられて思わず最敬礼でした」

追い出しが鳴りましてお開きで御座ィます。
此の後中央線に乗りまして西新宿の一角にありますなんてぇ羊肉専門店で喰い倒れ飲んだくれるンですがねぇ、丁度時間となりましてお後と交代で御座ィます

(了)

投稿者 yoshimori : February 27, 2011 11:59 PM
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