November 03, 2011

◆『住吉』

本日ァ多摩市での鑑賞でございます。
京王電鉄を乗り継いで遥々やって参りました、聖蹟桜ヶ丘
実は体調不良にて発熱しておりまして、出掛けるべきではないのでしょうが、偶の休日寝て過ごしてもあれなんてんで遠路遠路しております。

『能』
@多摩市関戸一丁目・京王聖蹟桜ヶ丘B館

ご案内の通り能とは約六百年以上の歴史を持つ我が国最古の舞台芸術でございまして、当会では講座と演目の二部にて約四十分ずぶずぶの素人衆なにょうにゃくにゃんにょに向けた分かりやすさと手軽さを重視した構成となっております。

「第一部:能講座」
◆笛
笛方は「能の笛はドレミの音階ではない」と云います。
外見的特長としては歌口(息を吹きこむ穴)に彫金が施されているとの説明でございました。
◆小鼓(こつづみ)
演奏には適度な湿り気が要るそうでして、炭火の熱気と蒸気で調律すると伺いました。
◆大鼓(おおつづみ)
鉄の輪に革が張られている為、中指や薬指にプロテクタァを嵌めての演奏となります。
◆太鼓(たいこ)
撥を当てる僅かな部位(五百円玉大)には鹿革を張っておりまして、背筋を伸ばした状態で床に正座して決まった角度で腕を振り下ろして打ちます。

「第二部:演目」
『高砂』
観世流シテ方能楽師:馬野正基
下掛宝生流ワキ方能楽師:舘田善博
地謡、囃子(笛・小鼓・大鼓・太鼓)

本来でしたらツレであります嫗(おうな)も含めた三名での演目ですが、舞台と構成の都合上、二名での演出となっております。
ワキであります九州阿蘇宮神官の登場から始まりまして、朗々と台詞が語られますが、低音的美声の為か「高砂や、この浦舟に帆を上げて」しか耳に届きません。
続いて、シテ方がの面で現れます。
面を付けたままの台詞回しの為か、くぐもった質感ながらワキ方の発声よりも拡がる声質に聞こえて参ります。
を用いての舞は、土地柄場所柄ファミリィなふいんきの会場ながらも鬼気迫る感でありました。

丁度四十分、時間となりましてお開きと相成ります。
帰りしなに通り過ぎた「道頓堀」と染め抜かれた暖簾をうかうかと目にしてしまいまして、親が死んでも粉物喰いという過酷な家訓に殉じようとしておりますよ。(熱もあるてぇのに)

(了)


高砂やこの浦舟に帆を上げてこの浦舟に帆を上げて月もろともに出汐の波の淡路の島影や遠く鳴尾の沖過ぎてはやすみのえに着きにけりはやすみのえに着きにけり四海波静かにて国も治まる時つ風枝を鳴らさぬ御代なれやあひに相生の松こそめでたかれげにや仰ぎても事も疎かやかかる代に住める民とて豊かなる君の恵みぞありがたき君の恵みぞありがたき

投稿者 yoshimori : November 3, 2011 11:59 PM
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