December 26, 2011

◆『溜め息混じりに待たされた閉店』

本日ァ抽選でげっとしました、表参道での落語会でござんす。

『立川談春独演会~白談春2011~<夜の部>』
@神宮前五丁目・青山劇場

立川談春◆居残り佐平次

「昼の部が終わったのは六時五分でした」
「一時間後にまた夜の部って、気分はまるでジャニーズですね」
「ここ青山劇場を会場にして落語を演るのは、私が初めてらしいですよ」
「まァ白談春という事でして、黒を目指すと白がしらけてしまい、逆もまた然りという」

「(帝塚山)無学の会という会がありまして」
「これは(六代目)笑福亭松鶴(しょかく)師匠の住居跡地に建てたという寄席なんです」
「うちの師匠の追悼会をここでと(笑福亭)鶴瓶師匠から連絡がありまして」
「『12月の26は、どや?』って、今ここに居ますから『無理です』って断りましてね」
「『じゃァ24は?』って云われたんで、『行きます』と返事しました」
「そこの会場がですね、60人くらい入るんでしょうか、そういう場所でして」
「私は兎も角として、呼ばれた(立川)志の輔あにさんと鶴瓶師匠がそこに居るんですよ」
「と云っても、近所のおばちゃんしか来てませんから、その師匠方がそこに居る凄さが伝わらないんで」
「堪りかねた鶴瓶師匠が云う『この面子やったらもう即完でっせ』の『即完』がそもそも通じない」
「で、根多なんですけれども、志の輔あにさんは」
「『師匠が褒めてくだすった新作”バールのようなもの”を』と」
「この人ずっるいなー、と思いながら巻き込もうと思いましてね」
「『あにさん、”紺屋高尾”やりましょうよ、リレーで』」
「『バール』」
「『じゃァ”芝濱”・・・』」
「『バール』」
「って云うもんですから、私は”粗忽の使者”を演りました」

「しかし、投票の結果とはいえ、この二席ですか」
「皆さん、そんなに”芝濱”聴きたいですか?」
「もう、さんざ聴いたでしょう」
「この時期、(三遊亭)新潟くんでも”芝濱”ですよ、白鳥くんね」
「新聞に『(立川)志らく”芝濱”熱演』とか載るわけですよ」
「今、立川一門はこれを演っとかなきゃ駄目だぐらいの雰囲気ですよ」

「まァ”子褒め”とか好きなんですけどね、順位はかなり下でしたね」
「私がほんとに大事にしている”白井権八”にも票が集まらずじまいでして」
「というわけで、佐平次と芝濱を演らせていただきます」

本編:
「♪バナナがいっぽんありました~」
「~おどるおもちゃのちゃっちゃっちゃ♪」
「・・・これをやると、どちらの曲もしまいまで唄えなくなりますよ」

立川談春◆芝濱

本編:
まくらは無く、「お前さん起きとくれよ、釜の蓋が開かないよぅ」から始まりまして、芝の濱にて財布(せぇふ)を見つけるくだりはありませんで、魚勝は「嬶ァ手前ェ鐘の数間違ぇやがったな」と長屋に戻ります。

追い出しが鳴りまして、お開きで御座ィます。
通りを挟んで向かいに西班牙料理店があるてんで、交差点を横断しまして、梯子段をとんとんとんとんと上がるってぇと、白髪のいすぱにあ人が出迎えてくれるんですがねぇ、それはまた別の話で御座ィます。

(了)


<覚ヱ書キ>

豚の血の腸詰めの揚げ物、烏賊の墨煮、"Cava", "Mayor De Castilla"

投稿者 yoshimori : December 26, 2011 11:59 PM
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