February 29, 2012

『月長石ト鍛造ト言霊ノ國』 (第6回)

◆女である。(270212)

◆頭のネジが外れてしまって探す行為さえ放棄したと思しき老人より空白の辞書を託される。
◆某所へと向かい、過去に滅んだ民族の残した高い技術の遺物を作動させてダウンロードし、辞書を完成させろとの依頼。
◆で、指定されたエリアへ向かうのだが、広大な敷地の中、大木の代わりにクラゲが生えていたり、耳障りな高周波を放つ赤い植物がもろもろと茂っていて、気の触れ加減にも程があるというものだ。
◆あまりにも広過ぎてランドマークも定まらないまま何となく徘徊していると、遺跡に眠る高価な品々を巡って目を血走らせている奇特な墓荒らしに襲われる。
◆当然、返り討ちに致すのだが、長い旅程で所持品が厖大な量に達しており、墓荒らしの襲撃をよき折り返し地点と定め、一度引き返そうと決意。
◆久方振りに娑婆の空気に触れて後、またここに戻ろうと、墓荒らしの死に顔に向けて再訪を誓うのだった。
◆だから爺ィ、例のダウンロードの件はもう少し待ってろ。

(續く)

投稿者 yoshimori : February 29, 2012 11:59 PM
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