March 20, 2012

『黒馬新聞 北方版』 (第11回)

◇女である。

◇依頼を受けて川沿いにある砦に来ている。
◇通用門には鉄格子が嵌っており、容易には中に入れない様子。
◇丈夫な身体と他者より少しだけ発達した跳躍力を駆使して外壁からの侵入に成功。
◇早速敵方より見咎められ、鬼神の如き働きにて、疲労度無視とばかりに縦横無尽に暴れ回っていると、砦の外より敵方へ向けての飛び道具攻撃を目視する。
◇まさかの援軍かと思いきや、遠方過ぎて視界に入らない。
◇まァ用事を済ませてから、礼かたがた挨拶にでも伺おうと思い、先に砦内部へと進入。
◇目的の品を無事に手に入れ、先に援護射撃をしてくれた人々を思い出し、砦の外へ。
◇見れば、三人組の男達が何かを待つ風にて野営中の様子。
◇話を伺うと、「家族が誘拐され救出に来たのだが、門の鉄格子が開けられず中に入れない」という。
◇・・・あれか、倉庫に3つ投げ棄てられていた死体の事かな?
◇もちろん、見た事聞いた事はおくびにも出さず、門を開ける仕事を承諾、ていうかもう開いてるし。
◇開門した砦内に男達を招き入れ、報酬をせしめる。
◇「門を開けてくれて助かったよ。家族が無事だといいんだが」
◇・・・すまないが、自分の目で見て確かめてくれ。
◇少しの胸の痛みを抱えたまま男達に背を向け、振り返りもせずに立ち去るしかないのだ。

(続く)

投稿者 yoshimori : March 20, 2012 11:59 PM
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