May 12, 2012

『流刑地より乗馬で3.5ハロン』 (第14回)

◇女である。

◇暦でいうと今月は「レインズ・ハンド」の月という。
◇雨の手?
◇ていうか、ある日を境にずっとレインズ・ハンドだった気がするのだが。
◇まァ深くは問うまい。
◇調べてみると「恵雨」の意を含み、4月を指すという。

◇請け負った業務が達成できないままの煮詰まった状況を打破すべく、自ら蟄居閉門してみようと試みる。
◇もう少し具体的に述べると、この世界では30日という周期で、失ったものに対する再生が行われるという。
◇しかも同じエリアに引き篭もっていても、ただ徒に時は過ぎゆくのみで再生は実行されない。
◇復活の希望を託したい地域には接近するのも禁忌であり、より遠方での滞在であればあるほど再生事業開始の可能性が見出せるというものだ。
◇試しに南地区での復興を祈願して、北の最果ての氷に囲まれた島でニート生活を一ヶ月続けてみる。
◇・・・暦の上では恵雨から「栽培」に変わった。
◇これは5月、正に時代が俺様に追いついたって感じだな。(何が?)
◇よーし、南へ行ってみよう。
◇・・・って全然駄目じゃん。
◇云い方は悪いが、一匹も湧いていない。
◇よーし、じゃァ次いってみよう。

◇東エリアでの再建を祈りつつ、西にそびえる古代遺跡の石造りな一室で、ひと月ぼんやりと無為に過ごしてみる。
◇・・・暦は栽培から「年央」となった。
◇云わずもがな、年の央(なかば)、6月である。
◇よし、東へ行ってみよう。
◇・・・って全然駄目じゃん。
◇出会った頃はあんなに激しく湧いては消えていったのに・・・。
◇嗚呼、あの二ヶ月を返して欲しい。(泣)
◇(現実には六ヶ月を過ぎてるけどな)

(續く)

投稿者 yoshimori : May 12, 2012 11:59 PM
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