June 25, 2012

『小夜啼鳥の左眼』 (第25回)

◇女である。

◇和平協定的意味合いの政略結婚真っ最中の新婦や内戦調停目的にて本国より出張った皇帝の暗殺さえ完遂した殺人倶楽部での活動もいよいよ終局を迎える。
◇これまでの倶楽部は「家族」と称して仲良し殺人ごっこ集団だったが、殺人依頼を人智を超えた存在より直で受け取れるという、ぽっと出の新参者である自分の存在を疎ましく思った現役部長が、実は外部組織と密通しており、その結果裏切りに重なる裏切りに遭い、倶楽部の部室は放火によって大炎上し、先輩部員も数名斃され、壊滅的な状態に追い込まれる。
◇かつての古巣を棄て、北の地へと逃れた。
◇死亡:部長、オオカミ先輩、トカゲ先輩、ハゲ爺、子蜘蛛(通称:リス)
◇生存:ロリ婆(300歳)、アラブ人、気狂いピエロ、自分
◇旧知である犯罪者集団の顔役に相談し、施工業者を雇い、調度品も揃えて、暗殺倶楽部を再建。
◇暗殺者の担い手としての若手も新たに求人し、招き寄せての再出発である。

◇新しい部室長屋の奥まった一画より男女数名の呻き声が響く。
◇そういえば、提案された設計書に「拷問部屋」なる物騒な説明書きがあったのを思い出した。
◇ごうもんごうもんとわくてかしながら、向かってみると半裸の男女4人が壁に据え付けられた手枷に両手を封じられてうな垂れている。
◇会話を試みると、4人とも表現は違えど「金なら払う、助けてくれー」という内容。
◇ひとりひとりちくちくと問い詰めてみると、それぞれが屋外に隠し財産を持つと白状した。
◇その内ほとんどが木の洞(うろ)や岩の隙間という緊張感皆無な隠し場所である。
◇じゃァそれ、いただいてくるわ。
◇地方公演4箇所、全国集金ツアー、スタートです。

(續く)

投稿者 yoshimori : June 25, 2012 11:59 PM
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