March 31, 2013

『ニチムス~斎場のキャメリスト~』 (第一回)

10:00
起床。
撮影&散歩の日。
…む、11時に神田駅集合だった。
今から支度して間に合わないこともないが、慌しいのもあれなんで12時に変更の旨を連絡。

11:00
自宅を出発。
銀座線を目指して乗り込む。

11:50
@神田須田町一丁目
神田駅にて下車。

11:55
@内神田三丁目
北口にある路麺店にて縄を手繰る。

12:05
同行者と合流。
既にカメラ(動画)は回っているという。
軽く打ち合わせて出発。
「神田」始点は、すべからくすべての裏長屋の店子に捧ぐ鎮魂歌に相違ない。(何を云っている)
外堀通りを西へと向かう。

12:15
須田町交差点@神田須田町一丁目
ここは秋葉原電気街の南端に近い。
落語「千両蜜柑」ゆかりとなる老舗青果店のビルが見える。
老舗果物店を右に眺め、北へ少し寄り道してゆこう。

12:30
@神田淡路町二丁目
最近出火のあった老舗蕎麦屋に立ち寄る。
解体の為の囲いがめぐらせてあり、庭に放り出された水浸しの畳が消防活動の結果を物語っている。

12:45
昌平橋@神田淡路町二丁目
最終目的地まで付き合ってゆく神田川と対面。
東に見えるは万世橋。
川面にはゆりかもめが桜の花びらを戯れに啄ばんでいる様子。

13:00
湯島聖堂@湯島一丁目
「高仰」と揮毫された二語を「高柳」と勝手に読み換え、高柳先輩んちを訪問している体で行動。
敷地内にそびえ立つ孔子像を件の高柳先輩と呼ぶ乱行を展開し、果てには同様に掲げられた「壇杏」という文字さえも「壇蜜」の姉と勝手に解釈し、壇杏の内縁の夫という立ち位置では職権乱用に陥りやすいという危機感を説き始めることしばしば。

13:30
@本郷三丁目
お茶の水駅と聖橋を左手に見ながら、本郷通りを北上する。
落語のまくらで耳慣れた「本郷もかねやすまでは江戸のうち」なる碑(普通の看板)はもっとずっと東大赤門寄りになる。
理由もなくサッカーミュージアム通りを下ってそれらしき建物を目指すも、それらしい施設は見当たらず。
角地にあった工事現場を跡地と定めて足早に立ち去る。(本物は健在)

13:35
壱岐坂上交差点より壱岐坂を下る。
実は落語「厩火事」の「下(げ)」は陰惨な復讐劇だったという体(てい)で歩を進めてゆく。

13:40
@後楽
壱岐坂下交差点より白山通りを渡り、東京ドームシティを両手に見ながら進む。

13:45
@春日一丁目
後楽園駅を通過する。
付近に河豚料理の店を発見するも休業の様子。
落語「駱駝」に登場する河豚毒の犠牲者を出した店はここです、という名の名誉毀損。

14:00
諏訪神社@後楽二丁目
牛天神を目指して歩いていたはずが、諏訪神社にたどり着いてしまう。
境内に佇む老婆に道を尋ねようと思って近付いてみるが、その異様さに言葉を失う。
…宇宙との交信?
老人らは総勢5名おり、祝詞か呪文か分からない文言を詠唱した後、太極拳にも似た挙動で宇宙(そら)との交信を始めた。
近寄りがたい上に道も聞けず断念。

14:15
北野神社(牛天神)@春日一丁目
それでも何とか自力でたどり着く。
掲題の中庭めいた場所には、平安貴族のような古典的な衣装を纏った男女がおり、男は笙(しょう)を吹き、女は社の前で佇んでいる様子。
笙の音色の合間に拍手が響く。
出陣の儀と勝手に認定して興味深く眺める。

14:20
白鳥橋(しらどりばし)@同上
当然、日大出身の新作系噺家、三遊亭白鳥とは無関係。

14:25
印刷博物館@水道一丁目
用もないので当然通過する。

14:30
@水道二丁目
再びまみえた神田川沿いを歩く。
目当ての鰻屋は「休業日」だった。
残念。
フリークライミングの施設を通過してたどり着いた石切橋近くの鰻屋には「準備中」の札が下がっている。

14:40
@水道二丁目
「宗蔵」と名を冠した蕎麦屋へ。(店名ではない)
宗蔵とは何か調べてみる。

<宗蔵(ソーゾー)について>
・活動期間:江戸時代中期(元禄・享保)
・肩書(漂流前):「若潮丸」乗組員
・漂流区間:薩摩⇒カムチャツカ
・漂流同人:権蔵(ゴンゾー)
・陸路移動:モスクワ⇒ペテルブルグ
・謁見者:女帝アンナ
・肩書(漂流後):「元文元年科学アカデミー日本語学校」教師
・終焉地:ペテルブルグ
・露西亜名:コジマ=シュルツ
…たぶん、これとは違うな。

以下は喰い散らかした品々。
・天麩羅(海老、薩摩芋、京人参、茄子、南瓜、筍、蕗の薹)
・「巣ごもり」 … 低温の油で揚げられたかりっかりの蕎麦の上に餡かけの具が載る。
 (鶏肉、蒲鉾、海老、絹莢、白木耳、椎茸、葱、鶉の玉子、うろ覚え)
・揚げ出し豆腐
・「(銘柄失念)」

あーもうここに棲みたいとまで云わしめた腰の重ささえ振り切って再出発を試みる。
神田川沿いの道を西へ。

16:00
椿山荘@関口二丁目
遊歩道沿いでは半分葉桜を見ながらの宴会が繰り広げられていること幾つか。
必ずと云ってもいいほどオプションに犬が付く。
…ははァなるほど、〆にみんなで美味しく、ね。(にやり)

16:30
面影橋@西早稲田三丁目
落語「道灌」で登場する「山吹之里」とはこの辺り。
「ななへやへはなはさけともやまふきのみそひとつたになきそかなしき」

16:45
@下落合二丁目
新目白通りを西へ西へ。
おとめ山公園辺りで西武新宿線の踏切を渡りちょいと南へ。

17:00
さかえ通り@高田馬場三丁目
カメラのバッテリーが危機的状況ということで充電可能な喫茶店を探す。
先日、ニュース映像で見た大炎上していたエリアを通過する。
…飲食店長屋の棟ごと類焼しており、神田須田町の比ではないようだ。

17:15
@高田馬場一丁目
深く座れるソファーの置いてある店へ。
・ビターブレンド
カメラを卓上に出しているからか、目ざとい従業員より「店内の撮影はご遠慮願います」と釘を刺される。
もう撮ってるけどな。

17:45
早稲田通りを西へ。

18:00
小滝橋@高田馬場四丁目
再び神田川と相まみえる。
数年前まで懇意にしていた明石焼きの店は3年前の4月で閉店していたという。
この店での打ち上げも考慮していたのに残念でならない。

18:30
山手通りを越える。
もう間もなく到着という同行者の声に励まされ、足を引き摺りながらの行軍。

19:00
落合斎場@上落合三丁目
約束の地へたどり着く。
当斎場は住宅の地の中にありながら、セレモニーホールと火葬場を兼ねているという。
落語「駱駝」のサゲの手前で登場する願人坊主が生きながらにして焼かれる現場である。(未遂)

満身創痍の我々は何故かここから中野駅まで歩き、新宿駅南口にある打ち上げ会場を目指すのだが、正直この道中がいちばんしんどかったと伝えておこう。
…お疲れさm(撃沈)

(終)

<履歴>
20130408 更新 ・「厩火事」「駱駝」分の記事を追加。
20130709 更新 ・「斎場のキャメリスト」を改題。

投稿者 yoshimori : March 31, 2013 11:59 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?