November 23, 2005

少年、その段差に気付け

マルセイユ、運河、15時28分。

男、ナイロン地のパーカーを着用の為、生地の擦れ合う音で遠くからでも現在地が分かる。

「いやーまいったよ、T字の電動歯ブラシが折れちゃってさ」
T字の歯ブラシ?
「え、あ、いや、髭剃り」
それで遅れたと。
「いや、折れた時点で既に間に合わないんだけどね。それから、会社に電話したんだ」
遅れますと。
「いや、『子どもに風邪ひいたみたいなんで、病院に寄ってから行きます』って」
病院に行ったんだ。大丈夫でした?
「何が?」
ていうか、行ってねえな、これ。
「で、電動歯ブラシの電池を買おうと」
そっちは歯ブラシか。買ったと。
「いや、帰りに買うから、もう帰らなきゃってことで」
ふーん。

聴いていると、言い訳ひとつせず淡々と行動を述べているに過ぎない。
開き直りとも言うが。

投稿者 yoshimori : November 23, 2005 12:11 PM | トラックバック
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