December 25, 2006

『平家の人びと』

総武線車内、高校生、或いは予備校生の男女。

「よっ」
「うわ、びっくりした。知らない人かと思った、平井かー」

「知らない人って」
「まじびっくりした。うわ、びっくりしたー」

「びっくりし過ぎだよ、平原くん。電車乗る前に気付いてたよ」
「全然気が付かなかった。今帰り?」

「うん。そう言えば、知ってる? あの平泉くんがさ、早稲田決まったって」
「聴いたよー、俺もやばいなー。全然関係ないけど、平松先生亡くなったね」

「あ、うん。急だったね」
「俺、弔電送っちゃった」

「ほんと? そういうのやるんだ」
「うん、なんかさ」

「あ、そう言えば、平田、捕まったでしょ」
「見た見た、新聞載ってるし」

「かなり恥ずかしいよね」
「よりによって70歳のおばあちゃんを覗くなんてな」

それよりも、君らの周りは「平」ばっかりだな。

(了)

投稿者 yoshimori : December 25, 2006 11:59 PM | トラックバック
コメント

かく言うボクは、
人生まっ平…。

Posted by: ダメ人間 : December 27, 2006 01:11 AM

フラットが何よりですよ、先生。
それとも、凹凸のある人生がお望みですか?

Posted by: 「ダメ人間独立支援強化推進援護団体」を見守る会 : December 28, 2006 12:58 AM
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