July 22, 2007

『魂消』

『21grams』

魂の重さ何グラムー? にーじゅうーいちぐーらむー♪

開始早々既に電気GROOVEの唄うところの
「ケツのしわ何本? よんじゅーうーはーちーほーん♪」
なるメロディが脳内MP3プレイヤーにてエンドレスリピート。

もうね、イニャリトゥ監督の引出しの少なさといったら、万力標準装備な作業台並にひとつっきりで、今回もまた「群像」な展開は止まらず、時系列を完全破壊する編集無茶振りもさることながら、登場人物どいつもこいつも傷口に塩塗り合って生きている俺生きてるあたし生きてるでも死にたいやっぱり生きる殺してやる、ってもう痛々しさこの上なく、若い頃は俺も悪かったと不良少年に神への信仰を促す首にタトゥーが入ってるせいで解雇された元キャディーは神から与えられたと信じているピックアップトラックで親子3人をうっかり殺傷してしまい神の不在を嘆き、家族を奪われた妻は欠落感に耐え切れず夜な夜なクラブでケミカルトリップしては泣き続け、事故死した夫の心臓移植で生きながらえた教授はドナーとその家族をやたら仕事の早い探偵に調査させ妻に近付きうっかり深い仲になる中、元キャディーの殺害を計画し彼の暮らす土地へと目指すが、教授は銃は向けて撃つも「失せろ!」と追い払い、妻は復讐は成されたと思い込むが、死に切れない元キャディーは教授と妻の部屋を突き止めて押し入り「殺せ!」と揉み合う内に、自らを撃つ教授、「救急車を!」と叫ぶ妻、呼ぶ元キャディー、病院へ搬送後、「俺が撃った」と警察に訴え連行され、もはや誰が救われて誰が救われないんだか、不幸のインフレ状態で終焉。

魂の重さとかそういう概念よりも、作中誰しも口にする
「それでも人生は続く And Life Goes On.」
が印象に残る。

ケツのしわが何本だろうが、それでも人生は続くのだ。

(了)

投稿者 yoshimori : July 22, 2007 11:59 PM
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