August 14, 2007

『原罪、言わずもがな』

ひさびさに地元民と会う。

ひとり目:
かつてニューヨークでデザイン学校卒業後、デザイナーとして働いていたが、何故か帰国後はコンビニ、フラワーショップ、病院事務と職を替えているという同級生(♀)。

「実は職場で言い寄られてて」
お、ドクターから? 何科かしら。

「いや、患者」
患者かー。何してるひと?

「バスの運転手」
むー。バスかー。

「しかも、太ってる」
あー、残念だー。全然脈なし?

「バスの運転手なのはいいけど、太ってるのがちょっと。あと、多分だけど家が金持ち」
金持ち駄目っすかー。

「世間知らずなのが許せない」

ボンボン駄目っすかー。

ふたり目:
地元以外に定住の地を持たず、弟夫婦と生活を共にしながら、三重の妻子持ちと名古屋で密会を重ねているという同級生(♀)。

「来週会うの」
またそんな不毛なことを。

「手つなぐの」
いやいや、いうても世間的には不倫だから。

「だって、今更普通の恋愛はできない」
33だから?

「まだ32だってば。まあでも、それもあるかもね」
名古屋まで遠いじゃん。

「たまに会うからいいのかも」
それでいいのか。

「あと、あたし病気持ちだし。あははー」

全然笑えませんよ、それ。
まあ、元気出してくださいよ。
って元気出したところで不倫は解決しないのか。

4時間も同じ店で飲んだくれてやさぐれて帰宅。
妙齢女子の語り口は笑いながら話すわりには重い。

(了)

投稿者 yoshimori : August 14, 2007 11:59 PM
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