August 29, 2007

『喧騒、名刺を手渡す機を失う』

やたらと涼しくなった。

既に暗渠となって久しい川の名が町名となった地にて暖簾をくぐる。
店内は近隣の放送局から流れてくる制作の方々で溢れている。
ていうか、全員そっち系。
もちろん流れる映像はチャンネル1。

■赤茄子焼き
トマトを和名でそう呼ぶこともあるのだが、ここでは全長25センチもの赤紫色の長茄子。
我々が知る茄子の5倍はあり、焼いてなお長い赤茄子は、焼き魚用の長皿に載せられている。
大量の鰹節、すりおろし生姜が添えられており、醤油で戴く。

■万願寺唐辛子の素揚げ
栽培が難しいとされる京野菜のひとつにも関わらず、カリフォルニアピーマンと伏見唐辛子の交配により完成したという雑な経歴を持つ。
ピーマンの甘さと、抑えた辛味が独特で、歯ごたえも軟らか。

■鰆の塩焼き
旬は地方によってあるようだが、実は年中喰える魚という。
身割れが早く、刺しは捕獲後24時間以内で。
主食は秋刀魚、鰯という。
いいの喰ってんな。
大根おろし、酢橘で戴く。

一匹の 鰆を以って もてなさん
高浜 虚子

(了)

投稿者 yoshimori : August 29, 2007 11:59 PM
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