February 04, 2008

『逢魔ガ刻ト、昼行灯』

夕刻、黒猫に導かれた後妻を迎え、丁重にもてなす・・・かと言えばそうではなく、初日にして留守を任せ、未だ積雪が目立つ外へと繰り出すのだった。

晩酌を目指し、近所の小料理店へと足を運ぶ。
暖簾をくぐると、常連の画伯がひとりで飲っている様子。

「あら、おひさしぶりね」
あ、どうも、先生。いつもお元気で。

「元気じゃないわよー、この間もキムチ食べてたら、こうね、喉がぐーっとさー」
それ危険ですね。正月の餅レベルの危なさですよ。

「まあ大丈夫だったんだけどね。あなたはあれ、元気でやってるのかしら?」
いや、実は二日前から胃があれっていうか、胸焼けっていうか、むかつきっていうか。飯がさっぱり喰えんのですよ。

「それ」
え? それ? どれ?

「あたしもそれだった」
いや、先生、さっきキムチって。

ピロリ菌よ」
ピロリ? 音的にはかわいいですね。

「胸がむかむかするんでしょ? ゲップが止まらないでしょ? 喉がぐーっとなるでしょ?」
最後のは先生のキムチ症状ですけど、他は当たってますね。何で!

「だってあたし、医者の娘だもん」
あー、そうでしたっけ。

「あなた、女の・¥」:;p@「¥^-0!”#$%&’()したんでしょ?」
先生! ここ飲食店なんで、そういう発言はちょっと。

「あなた、気を付けなさいよー。女は怖いわよー」

よく分かりました。
枯山水な身に覚えはさっぱりありませんが、何かしらの病を背負っていると判断して自愛することに致しましょう。

(了)


追記:

<当日の夕餉>

■熱燗五合 ・・・ 胃腸があれでビールが飲めないから。菊水辛口。
■魴鮄(ホウボウ)の造り ・・・ 降雪の時期が旬という。正に今。ぽん酢で頂く。
■子持ちヤリイカ焼き ・・・ 足から頭にゆくに従って子ががっつりと。
■おでん(大根、豆腐、ちくわぶ) ・・・ 煮崩れるくらいが胃腸に良い。

・・・自愛しとらんがな。

投稿者 yoshimori : February 4, 2008 11:59 PM
コメント

医者娘の発言が非常に気になりますので、ご教示ください(笑)
そしてご自愛のほど。
今度スーパーマリオもって遊びに行きます!

Posted by: hyde先生 : February 6, 2008 06:51 PM

今なら最初のクリボーに体当たりする自信がある。
・・・クッパまで遠いな。

Posted by: 義盛 : February 9, 2008 01:46 PM
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