March 29, 2008

『八人臥煙』

当日、目黒川での夜桜花見の予定が時間が遅くなりそうという理由で反故になり、赤坂見附にいる別の知人と合流したものの、曖昧な約束をしていたまた別の知人から連絡があり、赤坂見附を中座しつつ渋谷で合流しようと銀座線に乗ると、目黒川での夜桜やっぱり行きませんかという展開を見せるが、もはや行けるはずもなく、こういう案件は分散して頂きたいと手前勝手な了見を持ちつつも、最終的に行き着いたのは、渋谷、22時。

熱燗三合ばかりと、季節の野菜をやっつけて帰路に着く。

ソファーでまどろんでいると、何かが燻されている様な刺激臭が鼻をつく。
目も痛いぞ。
自室での喫煙習慣が無い為、別の部屋での出来事と確信。
扉を少し開き、廊下を見ると、白煙が立ち込めている様子。

えー? 眠いのにー。

緊迫感が微塵もない音で火災報知器が鳴る。
消防車のサイレンが聞こえる。
表が騒がしくなり、消防車を誘導する人影が見える。
「二階! 二階!」と聴こえる。

えー? うちの階?

消防士が八人くらい階段を駆け上がってくる。

しかも隣の隣の部屋?

「もう火は消えましたから」と聴こえる。
警察官も三人くらい来る。

でも、眠いから寝る。
リアルに出火しても、自分は助からんなと思う。

(了)

投稿者 yoshimori : March 29, 2008 11:59 PM
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