April 04, 2008

『匠』

『ルノワール+ルノワール展』帰りという父と会う。

はー、画家の父と? 映画監督の息子が? へー、ふたりの巨匠が? 二代競演?
てぇしたもんですねぇ、で、何処で? 渋谷? 道玄坂? あー、はいはい、Bunkamura
すぐそこじゃぁねぇですかい、歩いて? はー、それはそれは、
とおよそ親子らしくない会話が続き、品が幾つか運ばれてきますな。

■子持ち槍烏賊(ヤリイカ)焼き
秋から晩秋にかけて出回るといいましてねぇ、スルメイカを「夏烏賊」ってぇ名で呼ぶのに対し、本種は「冬烏賊」ってぇ通り名がありますな。
子ががっつり詰まってましてねぇ、食感がよいですな。

■真子鰈(マコガレイ)の造り
関東では「霜月鰈」なんてぇ呼ばれてましてねぇ、十一月頃に東北で獲れたものを極上品とするってぇと、冬場を旬としてますな。
これは、えんがわ付きですな。
地元、越中じゃぁ、ウソ、クチボソ、タバコアサバなんてぇ通り名が幾つかありましてねぇ、よく知りもしませんが、ウソってぇのは「草鞋(わらじ)」のことで、クチボソってぇのは文字通り「口細」タバコアサバってぇのは、「煙草の香」に似ているということらしいですがねぇ、何だか蛇足でしたかねぇ。
ちなみにアサバってぇのは、鰈の異称ってぇはなしですな。

■栃尾の油揚げ
既に亡き市町村となっている、新潟県栃尾市(現・長岡市)産の油揚げ。
地元らしく呼ぶってぇと、「あぶらげ」になりますな。

ikada.jpg
■白魚(シロウオ)の筏焼き
シラウオってぇ魚もいますな。
前者が骸の状態で市場に出回るのに対しましてな、こちらは春が旬ハゼ科の種でして、踊り食いなんてぇのを試せる食材でしてねぇ、なかなかあり付けたりはしませんがねぇ。
今回は筏状に焼いて頂いたってぇ計らいでねぇ、意外と歯ごたえがありますな。

燗した白鳥を八合ほどやっつけて、次の店へと移動しますな。

(了)

投稿者 yoshimori : April 4, 2008 11:59 PM
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