August 14, 2008

『田酒、清泉、手取川』

日中、冷てェ蕎麦でも手繰ろうってんで暖簾をくぐるってぇと、よく日に焼けた娘っ子が出迎えてぇくれるんですな。

「イラシャイマセェ」

日本蕎麦と銘打つからにはも少し何とかしァがれッ、なんてぇ野暮天では御座ンせんが、築地に鮨喰ィ行ったら板前がターバン巻いた印度人だったぐらいの違和感がありますな。

「冷や」なんてぇ微妙な表現が通じるわけも無いってんで、生麦酒を頼みましてねぇ、柚子切り蕎麦を一枚手繰るんですな。
ねえさん、あと、蕎麦味噌ひっとつ頼まァ。

「トソバミ?」
いやいやねえさん、間の蕎麦しか合ってねぇし。これよ、これ。

「カシ。コマリマシター」
いや、そこで切ると意味が違ってくるってんだィ。

グーローバーリーゼーショーン。

(了)

投稿者 yoshimori : August 14, 2008 11:59 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?