November 21, 2009

『正しい旅客機の乗り方』

えー、あたしの従姉妹亭主野郎を持つってんで、そいつァ目出度ェなんてんで、故郷(さと)に向かう為、一路機上の人で御座ィます。
機体が気流の関係で大きく揺れる度に流れる機内放送、逆に不安が募る口調の機長が居りますと、乗客は大変難儀するんですな。

「えー、えーと、あれ? これ入ってる? あ、どーも、機長の片桐でーす。今上空1万メートル、じゃなくてフィートを順調に・・・(ブツッ)」
途中で切れたりなんかして。

というようなわけでして、『全日空寄席』で御座ィます。
当番組、録音は2009年6月10日、池袋演芸場で行われました。

一席目■初音家左橋 「粗忽の釘」

池袋演芸場は狭いんですがねぇ、客の入りは音だけじゃァ分からず、芸に厳しい客ばかりってんで、全く笑い声が聞こえなくて、緊張感さえ滲んでましたィ。

二席目■柳家さん生 「亀田鵬斎」

書の大家鵬斎が迷子だった孫を連れて来て貰った礼として、屋台の小障子に「おでん燗酒 平治 鵬斎」と揮毫したばっかりに、おでんも燗酒売れないばかりか小障子だけがあの手この手腕づくで持ってゆかれる為、商売にならねぇってんで、遂には平治、売れに売れた小障子を元に店を開くという、お目出度い一席で御座ィます。

当機は間もなく着陸致しますってんで、窓から外を眺むるってぇと、これが激しい雨
従姉妹よ、明日の式は雨中でねぇことをお天道さんに願っておきやしょう。

(了)

投稿者 yoshimori : November 21, 2009 11:59 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?