May 10, 2010

『五月上席(千龝樂)~火鼠の裘(ひねずみのかわごろも)』

目が覚めると午前五時、起き出すべき時間ではないのは重々承知なのだが、いつの間にか始まっていた老化促進月間中の為に、二度寝ができず悶々とブランケットを全身に巻き付けてみたり四肢の弛緩と緊張を空腹感を覚えるまで断片的に続けてみたり流れ続ける古典芸能の音源の演目と演者を脳内で拾い出してみたりしているうちに、身体も頭も既に覚醒していると気付いた時には、もう横たわっていることさえできずに、腰と首より上の大事な部位を労わりながら二足歩行になりがてら、出掛ける準備をいそいそと始め、支度が整った頃にはもうすっかり疲れていたりもして、何の為の早起きかと、三文プラスどころかマイナスぢゃァねぇかと、まだ何もしてない上に、これから一日が始まろうとしているのに、既に自宅に居ながらにして、せめてもの逃避行動をと、何年も前にオールドハードと化したゲェム画面をぼわーんという音とともに起動するのだった。

(了)

投稿者 yoshimori : May 10, 2010 11:59 PM
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