June 17, 2010

『六月中席~金枝篇』

17世紀頃までは、生物は自然に発生すると考えられていた。
フランドル(現・オランダ南部、ベルギー西部、フランス北部)の化学者、ヤン・パブティスタ・ファン・ヘルモント自然発生説を支持する意味を込め、下記の実験を行う。

1.小麦の粒と汗で汚れたシャツに油と牛乳を垂らし、
2.それを壷に入れて倉庫に放置することにより、
3.二十日鼠(ハツカネズミ)が自然発生する!

超うけるー。
著名な化学者、医師でありながら錬金術師でもあったヘルモントの当実験、自然発生説を裏付ける重要な結果をもたらした(と思われる)という。

まァ突っ込み処は満載なわけで、壷に蓋は無かったのか、と、しっかり密閉してなかったのか、と、お前はこの実験中に何処をのそのそしてたのか、と
このうっかり感、たいへん共感が持てるのだが、風邪ぐらいの軽い症状でもこんな奴には診てもらいたくないのだ。

閑話休題(それはさておき)。
父が上京しているにかこつけて、西新宿で待ち伏せ、血縁であることをいいことに言葉巧みに店へと誘導
生ラムを特殊な鉄板で焼き、手捏ねな挽肉を裏面はプレート、表面はバーナーでこんがりと焼いて、おろしぽん酢で食すのだ。

ホッピーを飲んだことがないという父に白ホッピーをあてがい、席を立つ間にこっそりと「中」を多目に追加し、よいきぶんにさせておいて、次の店へと誘う。
むろんタクシー移動でだ。

暖簾をくぐり、白木のカウンター前に座る。
店の大将に「辛口を」と玉虫色の注文し、出されたきちがい水を順にいただく。
日高見(宮城)、石鎚(愛媛)、白隠正宗(静岡・沼津)
突き出しは、枝豆と鰹の漬け
「てきとうに」という曖昧なオーダーに応じて出されるのは、蛸の造り、椎茸と蓬生麩の白和え

本日は丸の内での「マネとモダン・パリ」展に行ってきたという父、明日は六本木での「オルセー美術館展」に赴くという。
あなたの愚息は美術館に1ミリも興味が無いのだが、連日通うそのスタンスは何処か似ているのだと思った。

本日もたいへん美味しゅうございました。
明日もひとつよろしくお願い致しますよ。けけけ

(了)

投稿者 yoshimori : June 17, 2010 11:59 PM
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