September 16, 2010

『九月中席~水兵と農夫』

今年で25周年を迎えたという老舗麦酒専門店に来ている。
40種類の樽生、70種類の地ビールで客を待つってんだから、もうこれは自分から脱ぐしかないのだ。(何故?)
スタッフには「浴びるように」と一言だけ告げ、やがて運ばれてくる品を順々にやっつけてゆく。
飲んだ麦酒の銘を失念しないように、醸造所の所在地、メモ書きと併せて備忘録とする。

"Extra Pils 25+10" ・・・ 当店25周年記念醸造、"+10"の意は失念
"Preston Pale ale" ・・・ ジョイフル本田宇都宮店もしくは千葉ニュータウン店内醸造所
「富士桜高原麦酒ヴァイツェン」・・・ 山梨県河口湖町、ヴァイツェンとはドイツにおける「白ビール」の呼び名
"Rogue (秘) IPA" ・・・ オレゴン州アシュランド⇒ニューポート、秘密の醸造という
"Nide beer Cream ale" ・・・ 東京都世田谷区
"Swan Lake IPA" ・・・ 新潟県阿賀野市、"IPA"とは「インディア・ペール・エール」
"Black bitter 25x2 Stout" ・・・ 黒ビール、"x2"の意は失念
"Baird beer Rising sun" ・・・ 静岡県沼津市
"Divine Vamp 3 IBA" ・・・ "IBA"とは「インディア・ブラック・エール」

特定種を頼むと半分サイズのフードが無料というので、ここはひとつ調子に乗らせてもらおう。

◆突き出し ・・・ 蒸し鶏とキャベツ
◆ノルウェーサーモンのエール漬け ・・・ 酢橘でいただく
▼ソーセージとザワークラウト ・・・ プレーン、チョリソなど三種を荒挽きマスタードで
▼焼きそば風スパゲティ ・・・ 麺がパスタ、具はキャベツとにんじん
▼厚切りポテトフライ ・・・ 小ぶりな丸ごとを縦に四等分
▼豆冨とトマトのカプレーゼ ・・・ モッツァレラチーズの白、トマトの赤、バジルの緑、そして豆冨の白
▼ハーフピザ ・・・ ほんとに一枚の半分、片割れ探して旅に出る

見る見る間に身体がビア樽化してゆく妄想を抱き始めたので、宴も酣(たけなわ)と撤収。
此の地を引き上げ、彼(か)の地を目指す。(何処だ)

雑居ビルにある地階へと続く急階段を踏み締めるように下りる。
暖簾こそ下がっていないが、木製の扉をくぐるとそこには、角型の馬蹄形カウンターがあり、馬蹄を囲む止まり木満席である。
丁度入れ違いに空いた席へと案内され、まずはと冷酒を頼む。

◆雪漫々 Yukimanman (山形)
◆扶桑鶴 Fusouzuru (島根)
◆黒帯 Kuroobi (石川)

胃腸が酒精にやられついでに、目の前で茹だる具を幾つか頼む

◆大根 ・・・ 定番
◆里芋 ・・・ 皮を剥かれたほくほくなのが串に2個刺さる
◆牛たん ・・・ ほろほろやわやわなのを山葵でいただく
◆プチトマト ・・・ 温(ぬく)い酸味が身上(しんしょう)
◆つみれ ・・・ 魚と生姜がしっかり絡み合う味だが、好みで云うとも少し煮たい
◆生麩 ・・・ 白と緑の二色、食感もっちもち

あ、これおでんか。
梯子か、しれっと二軒目か。
ていうか、どんだけ喰って飲んでんだ。

好い加減にぐだぐだになりまして、店主より閉店を告げられてもなお飲み続けましたら、見兼ねた女将より泥棒猫を追うような手付きで追われまして、聞いたこともない罵声を浴びせられまして、背中をひどく押されまして蹴り出されまして逃げるように帰ります。
あたしの靴下は何処かしら。(涙)

(量)


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故MJ掲載記事

投稿者 yoshimori : September 16, 2010 11:59 PM
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