September 20, 2010

『九月中席(千龝樂)~毛州瀬替え』 (第弐回・最終回)

寝乱れた浴衣姿のまま、畳敷き和室の蒲団上で目覚めた午前6時
窓より射し込む旭にしては薄暗く、日の出はとうに過ぎているはずだと外を眺むる。
・・・である。
午前中の予定として鬼怒川の穏やかな流れに身を任せるはずが、激濁流を髣髴させるほどの豪雨となっており、大自然に身を委ねるにはいささかの不安材料である。

企画立案者に棄権を提案すると、当日キャンセルはビタいち返金されない旨の返答に改めて参加を決意する。
金額の高ではなく手続き上の問題とし、憤りを伴う煩わしさも手伝い、反発する意を込めての参戦である。
闘って死のう、そしてそのまま太平洋まで流されよう

最後の晩餐の残りを細々と喰い繋ぎながら、着々と準備を進めてゆく。
死に装束は、"Helly Hansen"社製マリンウェアとなるのだ。

06:10 禊(沐浴)
08:05 チェックアウト

車両に乗って移動。
現地にてフル着替え。
移動先の鬼怒川上流からは、揃いのサンダル、黒いウェットスーツ、白いヘルメット姿に派手なカラーリングのパドルを持たされたまま、旅館街を歩かされるという恥辱の行軍である。

08:45 ラフティング

木造船でのライン下り乗船者らは揃いの透明ビニール製レインウェアを羽織らせられ、その船頭らはやはり揃いで緑色のアウトドア用レインウェアを纏っている。
絵面的には罪人らを導く地獄の渡し守のようだ。

次第に雨は止む方向に。
90分後に撤収

無事に帰還できたことを奇跡と思う。
日頃の行いが幸いしたのだろうと胸を撫で下ろす。

ようやく食事らしい食事にありつけそうだ。
街道沿いにある蕎麦屋の暖簾をくぐる。

12:00 朝兼昼餉

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小上がりより全景

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舞茸の天麩羅

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天丼(時計回りに茄子、海老、舞茸、獅子唐)

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手打ち蕎麦

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特製定食(時計回りに天丼、茗荷と大根と胡瓜の新香、胡瓜と鶏肉の辛味和え、蕎麦)

さあ帰ろう。
もはやこの地に用はないのだ

往路に比べると復路は怖いくらいに順調である。

16:55 給油
17:30 返却

車両返却時の総走行距離を確認すると555kmだった。
前日都内での四時間走行で距離を稼いでいたのがよく分かる結果である。

疲弊し切った我が身を労おうと、A4クラス牛肉のみを取り扱うという店を目指すのだった。

(了)


追記:
参加された方々、お疲れ様でした。
次回もありましたら、よろしくお願いします。

投稿者 yoshimori : September 20, 2010 11:59 PM
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