November 21, 2010

『十一月下席(初日)~海翁好鷗(かいおうこうおう)』

北埼玉での痛飲の果てに辿り着いた一軒のファミレス、時刻は十時を少し過ぎている。
スタッフより手渡される朝メニューと夜のグランドメニューを開くと、当店30周年記念と称したハンバーグとグラタンから成るごってごての品書きが目に入る。
何を血迷ったか、飲んだくれの果てのぶっ壊れた胃の中へと沈めるべくオーダー。
同行者よりやれ愚行だ狂気の沙汰だ四ツ足だと罵られつつも迷いはないのだ。
やがてやって来る品を毛程の後悔もなく完食を遂げ、同席の者より気味悪がられることもしばしば

さァ東京へ帰ろう。
そして、上りの列車は矢張り座れない。
襤褸雑巾の気持ちで自宅に到着する十三時
自室のソファーへ倒れ込むや否や十五時より鍋を始めるという報せが届く。
成る程、神は試練を与えているのだ

以下は買い求めた食材とその産物である。

◇鰹の造り
◇金目鯛と里芋の煮付
◇鶏水炊き
・阿波尾鶏手羽元 ・・・ だし専用
・阿波尾鶏腿正肉
・絹漉豆腐
・白菜
・本しめじ
・生椎茸(出雲産)
・長葱

かけぽん酢でいただく。
大根おろし、柚子胡椒も忘れない。
仕上げは饂飩、〆は雑炊

何故か二十六時まで飲んだくれている。
何かがおかしい、いや、可笑しい事など何もない。
行雲流水、行く雲と流れる水の如しである。
永遠の命を得たという一方的な思い違いだけを糧に日々を過ごすのだ。

(了)

投稿者 yoshimori : November 21, 2010 11:59 PM
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