January 21, 2011

(工事中)『房総沖の鐵(くろがね)』

<20110124現在、加筆・訂正・画像準備中>

流れ流れて神楽坂へと辿り着く。
西新宿「いか」を専門に取り扱う本店があり、其の新店舗が此処神楽坂で営業を始めたという。
架電してみるのだが、既に満席である上に、二十一時を廻っても空く気配は無いとの素気(すげ)無い回答。
不逞腐れて途方に暮れていると、さっき会話した店員の声にて着信があり、たった今席が空いたというので、気紛れな性悪女に振り回される情けない心持ちで、それでもいそいそと向かってみるのだ。

外観は、とてもじゃないが室内で烏賊や鮮魚が回遊しているとは思えない造りの硝子張りビルヂングである。
一歩店内に足を踏み入れると、其の実活気のある大衆居酒屋に他ならない。
まずは一献と冷酒を。

<冷酒>
◇加賀鳶(石川)
◇大那(栃木)
◇菊姫(石川)

<突き出し>
◇煮烏賊の生姜添え

今日の目玉は活き槍烏賊という。
大中小とあり、小でも充分な大きさとの説明が付く。
じゃァ其れを一パイ貰おうか。

程無くしてひとりの従業員が現れ、少し重みのある棒状の何かを丁寧に運ぶが如き手付きの両の手で、活きた槍烏賊一パイを此方に見えるように突き付け、
「今日のはこれです。今から捌きますから」
と足早に板場へ連れてゆく。
其の瞬間より脳内では「ドナドナ」が流れ出し、妄想涙は止まらないのである。

やがて運ばれて来る、幾つか鮮魚とうちの「いか子」の変わり果てた姿。(涙)

(画像準備中)
<造り> ※十二時の方向より逆時計回りに。
◇金目
◇黒鯥(くろむつ)
◇酢蛸
◇鰺
◇〆鯖
◇槍烏賊・下足 ・・・ 透明感溢るる瑞瑞しい本体と小鉢の中でうねうねと蠢く十本脚
◇海鼠酢

<焼き物>
◇槍烏賊の頭焼き
◇えんざら(くろしびかます)塩焼き ・・・ 深海性、身に脂が載る

<汁物>
◇あら汁

血中の八割が海水になったような心持ちで今陸に上がっているのを恥じる程に海寄りな妄想を抱き水中では不要な衣類を一枚ずつ脱ぎ始めると店員らの制止を振り切って店内に設置されている巨大水槽の底部を目指して作業用の梯子段に手と足を掛けて一段ずつ登り始めるのだ、会計も済まさずに

(未完)

投稿者 yoshimori : January 21, 2011 11:59 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?