March 18, 2011

◆『不忍池之端』

こういった事情ではありますが、本日ァ内幸町での落語会でござんす。
寒空に託けまして開演前に軽ぅくペイイチ引っ掛けての会場入りで御座ィます。

『真一文字の会 春風亭一之輔勉強会』
@内幸町一丁目・千代田区立内幸町ホール

春風亭ぽっぽ◆金明竹

三味の音が鳴りまして出囃子『鳩ぽっぽ』が聞こえて参ります。

「ただでさえ仕事が無いのに、こういった事情で落語会はキャンセルが続いております」
「そういう中をお越しいただきまして有難う御座居ます」
「こういう時に何ですが、あたくし此の度十一月より二ツ目に昇進致します」(拍手)

春風亭一之輔◆鷺取り

「まァそういう事で御座居まして」
「当日十一日は白夜書房さんの雑誌『笑芸人』のお仕事でした」
「(桃月庵)白酒あにさんと対談だったんですよ」
「記念撮影・・・じゃなくて写真撮影ですね、二人背中合わせでこう(両手の指先を前に突き出しながら)「ィヨッ」なんてやってましたら、そこでぐらっと来まして」
「白夜書房さんの編集の方が、もう鬼ですから、仕事を続けようって帰してくれないんですね」
「やはり『火焔太鼓』の演出が、なんて云ってんですよ、そんな時に」

「ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、銀座の博品館で『落語アルデンテ』という会を催しておりまして」
「白酒あにさん、(春風亭)百栄あにさん、(三遊亭)兼好あにさんらと出ております」
「まァ此のお三方、常に私を貶すンですね」
「『賞を取って成功した奴は居ない』」
「『賞を取った噺家は早死にする』とかろくな事云わないですね」
「三人とも何にも賞を貰った事がありませんから」
「・・・私の出世を妬んでいるンですよ」※

※一之輔は2010年(第25回)NHK新人演芸大賞落語部門で大賞を受賞。

「先日、近所にありますグルメシティーと呼ばれる店に日用品を買い物に行きました」
「おばちゃんが、米を三袋とトイレットペーパーを三袋」
「あれ一袋どれぐらいですかね、十二ロールぐらい入ってますかね」
「其れらをカートの上下に乗せて、並んでる訳ですよ」
「もう長蛇の列ですから、皆いらいらしてるンですね」
「後ろに並んでたおじさんが江戸っ子なんでしょうか、いい啖呵切りましたねぇ」
「『そんなに雲古すんのかよ!』」
「まァ米と紙ですから」

「新宿末廣亭はあの日も含めまして休み無しで営業しております」
「浅草演芸場はあの日以来ずっと休んでますね」
「あの浅草がですよ、あの守銭奴の浅草が」

「チラシにも挟んだんですが、三月二十日はチャリティーの落語会です」
「元々は(三遊亭)天どんあにさんの会だったんですが」
「『何か寂しいから出てよ』って云われまして、左龍あにさんと私が出ます」
「まだ増えるかも分かりません」

本編:
『火事息子』に登場します元大家の若旦那の成れの果て、臥煙(がえん=火消し人足)の描写が入ります。

春風亭一之輔◆四段目

本編:
「皆あたいの出世を妬んでそういう出鱈目を云うんです」
「親孝行な貞吉をよろしくお願い致します」
「主人思いの貞吉をよろしくお願い致します」

お仲入りで御座ィます。

春風亭一之輔◆花見の仇討ち

本編:
花見の趣向てんで長屋の四ッ足りが、巡礼兄弟、牢人者、六十六部として仇討ちを演出しますが、六部は耳の遠い叔父に拉致られ、巡礼兄弟は仕込み杖が侍に当たってしまい、手打ちになる寸前に大望ある仇討ちとして放免されまして、辿り着くは牢人者の待つ飛鳥山。
巡礼者弟役の六ちゃんは「父の仇(かたき)ィ~」が云えず、「鰺の叩き」「鰺の開き」と鰺尽くし
で、肝心の本番では「鰺のなめろう~」と確信犯的なみすていくで趣向は破滅に向かうばかりで御座ィます。

追い出しが鳴りましてお開きでござんす。
茹で豚を求めて新橋方面を散策しますが、茹で蚕の幼虫は見つけましたがねぇ、茹で豚は無ぇてんで焼く方面の豚をいただきまして夜は更けてゆくので御座ィます。

(了)

投稿者 yoshimori : March 18, 2011 11:59 PM
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