April 04, 2011

◆『馬頭観音』

本日ァ中目黒での女子会でござんす。

『中目黒寄席 第百二回公演~春爛漫女寄席』
@上目黒二丁目・中目黒GTプラザホール

元来十八時開場ですがねぇ、早目に開けておりましたてんで、最前列に座して待ちます。
席亭からのご挨拶では、本日の演者であります柳亭こみちねえさんと桂右團治師匠はお二方とも早大卒だそうで。
後で知りましたが、方や文学部、方や法学部なんですな。

春雨や風子◆真田小僧

長躯で手足も長く年齢不詳な前座のねえさんで御座ィます。
師匠は四代目春雨や雷蔵だそうで。
前座名は浅草寺の雷神風神から取られたなんてぇ云います。

本編:
講釈『真田三代記』の件(くだり)は時間の都合で演りません、前座ですから。

桂右團治◆権助魚

短髪で小柄、そして年齢不詳な師匠で御座ィます。

本編:
「この魚ァ足だらけだけんど、こん中に手ぇはありますけぇ」
「蛸の手だァ? あるよ」
「どれですけぇ」
「こいつを参らせる時にな、ポカッと頭ァ殴るだろ?」
「へぇ」
「そん時、頭にこう『痛ッ』って上げた二本が手だよ」
「あ、そうでございますけぇ」

柳亭こみち◆天狗裁き

「先程、楽屋に枝太郎師匠が来ておりまして」
「えーと、何、枝太郎でしたっけ?」
「あたし、ほんとに噺家なんでしょうか」(笑)
「あ、桂です、そうそう、その桂枝太郎師匠から箱を差し向けられまして」
「『俺さ今、義捐金集めてるから、ここに千円入れてよ』なんて云っておりましたが」
「・・・あのお金はちゃんと然るべき所に届けられるかどうかが心配です」

「あ、そうそう、枝太郎師匠は前名は花丸あにさんでした」
「(桂)歌丸師匠のお弟子さんでねぇ」
(客席に向かって)「どうもありがとうございますー」

お仲入りで御座ィます。

柳亭こみち◆本膳

「あたしの師匠は柳亭燕路(りゅうていえんじ)と申しまして」
「漢字でツバメのミチと書きます」
「それであたしは『こみち』なんですが」
「前座名を決める際に、もう提案されたのがありまして」
「うちの師匠の前名は(柳家)九治と云います」
「で、九治の一番弟子という事で『くのいち』という、ねぇ・・・」
「高座に上がる時は反復横跳びで、懐には手裏剣、サゲの後はドロンと消えたりしますね」

「『こみち』はよく間違えられたりします」
「多いのは『みちこ』ですかね」
「あと、『こちみ』」
「『ちみこ』なんてのもありました」
「分からないのになると、『みこち』ってそれは名前ではないだろうと」

「一度山形でのお仕事を戴きまして、ポスターを作るのに名前を電話で名乗ったんですよ」
「『柳亭こみちと云います』」
「『あ、そうですかぁ、ぃりゆぅていぃこみっつぁんですか』」
「で、出来上がったのを見ますと、『ビューティこみち』になってまして、ねぇ」
(拍手)
「あ、ありがとうございます」

「この着物は師匠の・・・マンションを掃除している小母ちゃんから戴きました」
「帯は祖母からです」
「ステテコは母親ですね」
「・・・自分で買ったのは足袋しかありませんね」

桂右團治◆柳田格之進

本編:
柳田は自分に盗みの汚名を着せた萬屋の番頭(徳兵衛)と主(金兵衛)の首を斬らずに碁盤を叩ッ切って助命しまして、武家に生まれながら金子工面の為に吉原女郎に身を落とした娘は、父の意を汲んで全てを許しますが、現代ではこうはいかないと云います。
「ちょっと何なのー、あたし親父の為にやってんのにさー、もう超頭来る!」

追い出しが鳴りましてお開きで御座ィます。
寒風吹き荒ぶ中をちょいと足ィ伸ばしまして恵比寿へと向かいます。
「姉妹」なんてぇ隠微な名の店に入りまして、蒸されたもの、炒めたものや煮込んだものを戴きまして、お時間許す限りまでとろとろと飲んだくれまさァね。

(了)

投稿者 yoshimori : April 4, 2011 11:59 PM
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