August 31, 2011

『地蔵通りの女』

突発的体調不良である。
同僚上司らから強制的に早退させられ、職場より程近くで開業する内科医に診て貰おうと歩いて向かう。

「院長、体調不良の為、本日休診とさせていただきます」

・・・医者の不養生とはよく云ったものだ。
駅前へと向かい、立ち寄った交番にて最寄りの内科医院を尋ねてみる。
警官の指差した先に目的のクリニックの看板が見えた。
雑然とはしていない雑居ビルの一フロアに辿り着くと、医師が其処に居るという安心感からか、秒単位で悪化してゆくのが分かる。
待合室にて具合は加速度的に負のスパイラルへ。
検温すると、38度を軽く超えている。
診察室へ呼ばれ、医師からは「わー真っ赤、喉から来てるね」とだけ申し渡され、処方箋を受け取り再び屋外へ。

フロモックストランサミンノイチームロキソニンビオフェルミンといういつ何処ででも渡される内容の薬剤を受け取り、永遠とも感じながらも帰路に着く。

辛うじて存在する食欲を頼りに食後の服用を続けるが、効かない
厳密に云うと効いてはいるのだが、解熱等の楽な状態が持続しないのだ。
体温は39度まで上がり、思考回路が停止どころか脳内原野における夢幻の彼方へ誘われようとしていると思い込む

・・・いづれうわ言でヒスパニヤ語なんぞ喋り出すに違ひない。
葉月晦日高熱ヒーハー幕引きなのだ。

(了)

投稿者 yoshimori : August 31, 2011 11:59 PM
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