September 20, 2011

『忘恩負義』 (第62回)

<卑怯未練也>
うっかりと順序を誤った為、高難易度の冒険を強いられるという結果に。
独り立ちで世間に揉まれ過ぎて強靭な心身を鍛えられたまではよかったが、同時に敵方も拮抗すべく尋常ではない程に強化されており、叩いても斬ってもまァ堅いったらこの上ない。
その上、折角骨折って入手した先祖伝来の鎧を(諸般の事情から)纏わずに出陣するといううちの総大将は、布ッ切れ一枚戦場を徘徊しており、脆弱過ぎるにも程があるのである。
しかも大将、弱いくせして攻撃の型は常に特攻である。(ていうか自分以外は皆そう)
これではに頼むより他に手は無い。
そうだ、援軍を呼ぼう。
地方都市を駆けずり回って助力を請うが、当然何処の都市も治安の悪さは同様であり、自領での手薄を憂いてを割いてはくれず、「そちらの事情も分かるけど、うちもうちで大変だから」と無碍な断り口上である。
こどものつかいを超えた働きが必要であると覚って単身で敵陣へと乗り込み、一騎当千とばかりに快刀乱麻ぶりを披露する運びとなるのだが、それはまた別の話

(續く)

投稿者 yoshimori : September 20, 2011 11:59 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?