March 02, 2012

『月刊 高橋留美子』

<覚ヱ書キ>

朝:金平天蕎麦
昼:醤油面、咖喱炒饭
夕:鴨蒸篭、熱燗
夜:"Inishowen", "Lagavulin"
深夜:"Highland Park 8y"
最深:ラタトゥイユ、"Legendario"

◇夜、「この商売してると、色んなお客さんが来ますね」との前振り。
◇「少し前の話なんですが」
◇「終電がもう終わってた時間でしたかね、その端の席に男女が座ってまして」
◇「それまで『超受けるー』って連呼してた女の子の方が、もうカウンターに突っ伏して寝ちゃってるんです」
◇「で、隣に座る連れの男が、その女の子の、こう髪とか身体とか撫でてるんですよ」
◇「まァ鬱陶しいし、うちの商売的にもあれですよね」
◇「そのカップルとは真反対には常連の方がやはり男女でいらしてまして」
◇「僕が年末に怪我した話を求められたんですよ」
◇「もう何度も話してるから、まァ掻い摘んで話はできるんですが、あえて云わずに」
◇「常連の女性の方が、『ねぇこの人さ、こないだ死にかけたんだよ、話してあげてよ』って振るもんですから」
◇「『いや、実は山口組の人に拉致られちゃって監禁されてほんと大変だったすよー』って低い声で云ったら」
◇「さっきのカップルの男の方がが『ごごごちそうさまでしたー』って云って金置いて女の子の腕つかんでさーっと帰ってゆきましたね」
◇こうかてきめん。

◇同じ店、背後のテーブルに座る男女は真剣に「人魚」の存在について熱い語りを続けている。
◇「人魚はこども作れるかな」
◇「やっぱり不死なわけでしょ、こども必要なくない?」
◇「じゃァ何で男女がいるのよ」
◇「だから、それはー」

◇深夜、「寒干し大根」をBARに売りに来る女子。
◇私は断りましたが、隣席の初老の方が100gお買い上げ。

(了)

(改題) 『ジビエと留美子と複雑骨折』

投稿者 yoshimori : March 2, 2012 11:59 PM
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