May 30, 2012

『そぼ降る雨の音にも似た毛蚕の桑葉喰い』

<覚ヱ書キ>

朝:冷狸饂飩
昼:焼き鮭はらみ結び、MC
夕:ぶっかけ(冷)、茄子天

◇『人間昆虫記』 手塚治虫(秋田書店)、読了。
◇タイトル通りに虫系の名を持つ人物が多数登場。
◇薄翅蜉蝣、蜂、甲虫、蟻、蟷螂、蚊、金蚊、まァどれもが痒くて痛そうな類のネーミングである。
◇これらは破滅に向かう人々に与えられた名であり、善人には虫の名は与えられない。
◇手塚先生自身、虫ルーツの名を筆名としており、本人は呼んで字の如く「おさむし」と名乗りたかったという逸話も残っているのだが、現実には「おさむ」と呼ばれていた。
◇そして、ジャン・アンリ・ファーブルの著した本家『昆虫記』には、筬虫(オサムシ)が研究対象として記載されている。
◇その中で、この掃き溜めに棲まう美しき虫は肉食系であり、上に列記した虫けらどもを捕食する側であるとされている。(時には麻痺毒さえ用いて)
◇喰い散らかされた結果、ほぼ全ての登場人物は破局を迎え、創造主たる「虫」の身の内に治まるしかないのだ。

(量)

投稿者 yoshimori : May 30, 2012 11:59 PM
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