June 16, 2012

『何もない赤い水』

何かを語るに値しないとと判断した時でさえ、曖昧さだけを原動力として前進するという行為を否定できない。

09:30 豊島区
痛飲祟りまくりまくりすてぃーのまま、山手線外回りに乗車。
交差点を横断する前から店頭には一桁台の列が見える。
個体数「9」の後ろに着く。
程なくして現れたスタッフが恐る恐る割当数を告げると、その数は「4」という。
・・・撤収。

09:45 豊島区
山手線内回りにて隣駅へ。
車上から見える店頭には、誰も並んでいない様子。
少しの希望を持って現場へ向かうと、シャッター前に立てられた看板には「予定数ほにゃらら整理券ほにゃららありがとうほにゃらら」との切ない一文が。
前日に整理券配布済とは、店側の徹夜組対策だろうか。
・・・撤収。

10:00 豊島区
再び車上の人である。
趣向を変えて量販店を攻めてみるとしよう。
鉄格子にも似た柵を開店と同時にくぐって、スタッフをひとり捕獲し問い詰めると、「予約数に達しました」との返答。
開店前に終了とは、ここも前日に整理券配布だったのだろうか。
・・・撤収。

10:15 豊島区
同エリアで別なる量販店へ。
望み薄なままでスタッフに詰問。
「こちらへどぞー」
日本人のそれではない日本語が何処か現実感を薄めてゆく。
「こちらでどぞー」
必要書類に必須事項を記入して、半券を手渡される。
「当日お渡しできない事もありますー」
まァそうだろうね、キャンセル待ちみたいなあれだと理解しているよ。
撤収。

10:45 渋谷区
山手線内回りを復路とする。
坂の途中の代理店には個体数「5」。
いちおう保険掛けとくかなと思い、しれっと6番目となるも、11時開店ゆえに未だ閉じられたシャッターの貼り紙が目に留まる。
「入荷数5」

・・・俺たちの夏が終わった・・・。

(了)

投稿者 yoshimori : June 16, 2012 11:59 PM
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