April 19, 2010

『四月中席~四肢踏み』

諸事情から幾つかの行動が制限される時もある。

一、
松葉杖の男を見る。
足下見れば、右足首全体に包帯が巻かれており、同所を負傷している様子。
しかし手元見れば、左手一本で杖を使用している。
杖持つ手、逆じゃん?

二、
捻挫の女を見る。
足下見れば、左足首を包帯で巻いている様子。
よくよく聞けば、「ジムで」と云う。
あれこれ想像する前に、ガンダムプレイかと思う。

三、
花粉症の男を見る。
見る見る間に箱ティッシュが減ってゆく。
在庫が尽きたらしく、両の穴に鼻ティッシュという暴挙に出た。
鼻にティッシュが詰めてあるというのに、電話口では「書類にしてから話しましょうか」と云っている。
鼻ティッシュなのにね。

四、
「四つ足の老婆を見たの」
うわ、危険な発言

「杖を二本使いなの」
松葉杖じゃなくて?

「そういうのじゃなくて、腋を乗せないタイプの」
んー、あ、分かりました。

「でもよく見ると、杖じゃなかったの」
義手?

「どんだけ長いの、それ」
絵的に怖いっす。

「杖じゃなくて、傘だったの」
・・・。

周囲の理解を超えてなお人は、思うままに行動するのだ。

(了)

投稿者 yoshimori : April 19, 2010 11:58 PM
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