May 12, 2011

『幸甚ト拷訊』

霧雨そぼ降る中を歩いている。
雨脚は強さを増すばかりである。
道行く人の傘の多さに辟易しながら流れに逆らってゆく。
酒精と幾ばくかのを求めて久方振りに訪れる地階の店である。
先ずは一盞。

◇三十六人衆(山形・酒田)
◇綿屋(宮城・一迫)

いささか時候は外れるが、鍋で煮込まれた具材も幾つか。
大根、生麩、牛たん、里芋、蛸、つみれ、筍
他、大将手製の葛豆冨を一丁。

河岸替えする頃合いに表へ出るが、未だ降り續けている。
なんぞ持たなければ、手にする煩わしささえ覚えないのに。

(了)

投稿者 yoshimori : May 12, 2011 11:59 PM
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