March 11, 2012

◆『月刊 寺田寅彦』

本日ァ早稲田での落語会でござんす。

『鶴巻図書館主催 第1回鶴巻図書館寄席 桂扇生独演会』
@早稲田鶴巻町・鶴巻小学校1F会議室

桂扇生◆一目上がり

「鶴巻町はあたしが最初の師匠、三笑亭夢楽の一門に入った時に通った馴染み深い町であります」
「当時は早稲田町と呼んでましたが」
「お近くには当時、古今亭志ん朝師匠が住んでらっしゃいまして」
「近所のお肉屋さん、何ていいましたかね、そう、長谷川! 今もあるんでしょうか」
客席より笑いながら「閉店したよ」との声が。
「そうですか、潰れちゃいましたか、残念ですなァ」
「その店で志ん朝師匠のお弟子さんで当時、朝太といいました今の古今亭志ん輔さんとばったり一緒ンなったりなんかして」
「肉が包まれるのを待ってる間、よくふたりでメンチカツなんか食べてたもんです」
「『お前んち何、今日すき焼き? いいなァ俺んち、コッロケ』なんて」

「近所に公園がありました、今でもありますけど」
「弟弟子の(三笑亭)夢三四(むさし)とよくキャッチボールしてましたね」
「夢三四は当時、夢坊って名前でしたね」
「こいつは若くして死んじゃいましたが・・・」
「噺家の中には草野球のチームに入ってる人もいますね」
「私の師匠が監督のチームがありまして、弟子の私は問答無用で入らされますね」
「三笑亭夢楽のベラボーズ」
「(柳家)小三治師匠も球団を持ってました」
「(古今亭)志ん五さんは、ヨイショーズ」
「このヨイショーズ、七回まで調子良いんですよ」
「七回を過ぎると急に守備が乱れまして、逆転負けするという」
「で、打ち上げに参りますと、相手チームの席で酌して回って、『いやいや、さ・す・が・は大将、お強いですなァ、敵いませんや、よいしょっ』」
「だからヨイショーズ」
「(春風亭)小朝師匠は、ワカサマーズでしたかな」

桂扇生◆岸柳島

「古今亭志ん朝師匠は鶴巻町から矢来町に引っ越しまして、『矢来町の師匠』と呼ばれてました」
「稽古付けていただこうと、矢来町のご自宅に伺った時があります」
「まァ注文住宅ってんでしょうか、立派な建物でして」
「畳敷きの稽古する部屋があるんですね」
「『酢豆腐』てぇ噺を教わりに伺ったんですが、××××(名前失念)も一緒でして」
「そいつは『岸柳島』を教わりに来てました」
「志ん朝師匠はついでだから一緒にと仰いまして、稽古していただいた噺のおまけの方の噺をこれから演ります」

「志ん朝さんのお弟子に(古今亭)右朝さんてぇ方がおりまして」
「この方は将来を嘱望された優秀な方だったんですが」
「志ん朝師匠が亡くなった年に肺癌で亡くなりました」
「さっき申し上げました夢三四も同じ病でしたね」
「できる噺家は早死にしますねぇ」
「・・・あたしは死にませんよ、まだまだ死にません」

丁度お時間となりましてお開きでござんす。
近くが夏目漱石先生の縁の地なんてんで、漱石山房通りでも巡りましょうかねぇ。

(了)


<覚ヱ書キ>

鶴の友 純米
麒麟 生辛
親父
北雪 鬼ころし
栃尾葱味噌焼き
田舎漬物
辺木蕎麦蒸篭

投稿者 yoshimori : March 11, 2012 11:59 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?